翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 18

ページ: 18

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々 夫婦(ふうふ)は酒を好みたうべぬれど。此者は幼(いとけ)なくて杯(さかつき)をさへ 手にだにもふれずとかたるを。筍斎打 笑(わらひ)。扨 愚(おろか)なる人々かな酒 のみの腹(はら)にやどり上戸のたねをおろしたればそ此 病(や)はありける 虚(きよ)なる父母の体(てい)をうけて。生(うま)れながら虚なるがことしされ ば此病 薬(くすり)にて験(しるし)あるべからず。爰に我に伝(つたふ)ふる祓(はらへ)の秘事有 是をは君につたへ申さむ。抑(そも〳〵)此はらへは大 中臣(なかとみ)の家につたへて 月ごと此御わざし給ふこと禁裏(きんり)におゐて絶す。いつの頃よりか みなづきとせちふんの夜此 祓(はらへ)をなすになれり皆としの内 の災(わざはひ)をはらふの呪【左ルビ「ましなひ)」】なりけり此故に   みな月のなごしのはらへする人はちとせのいのちのふと社聞 なととも読(よめ)り。いでさらは祓申さん此子が名はととふ鶴松と申 といへば。印こと〳〵しく結(むすん)で。やあらめでたや。やあらたのしや此 子が寿命を申さば。鶴松(つるまつ)千年(せんねん)亀(かめ)山の万年 悪病(あくびやう)外邪打 払(はらふ)て西の京へさらばといひて帰(かへり)にけり。亭主(ていしゆ)興(けう)ざめながら子を 思ふ親(おや)の心。いづくもおなし事ぞかし。筍斎が千世万代(ちよよろつよ)とこと ぶきしを慶(よろこひ)。是より心ちもよくなりければ。黄金(わうこん)に名酒(めいしゆ)など 添(そへ)て礼につかはす。筍斎 使(つかひ)にあひて。是はおびたゝしひ御礼 物。迷惑(めいわく)ながら。はる〳〵の所御 志(こゝろざし)過(くわ)分なれば。酒は申うけう ず。金子(きんす)は納置ませうとて持(もち)て入ぬ    四 妙薬(めうやく)は磁石(じしやく)の推量(をしすい) 一とせ八月 暴風(のわき)凄まじく家をたふし。こけらうをまくりし日 あるものゝ子十五六なるがやねのまくるゝを。ふせかんど屋の上に 【参照資料:国会図書館デジタルコレクション>浮世草紙刊行会叢書>第1巻>新竹斎>巻之一-四 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953502/159】