翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 36

ページ: 36

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筍斎 口号(くちすざみ)南門(なんもん)を出れば。此 辺(ほとり)ぼろ〳〵の住(すみ)所なりといふにつけ て。ふるきけふの発句(ほく)を思ひ出る   口によるや尺八(しやくはち)ほどなこもちまき 一の橋(はし)より左右の民家(みんか)軒(のき)近(ちか)〱竹行(たけやらい)馬ひしと結(ゆひ)て。人々 色めく。げにけふ深草(ふかくさ)の神(かみ)わざ。当所(とうしよ)も加茂(かも)とひとしく競(きほひ) むまあり。きらば暫(しばし)待(まち)見んと。其程(そのほど)万寿寺(まんじゅじ)のかべのもとにより ゐる。此五七町は古(いにしへ)貞信公(ていしんこう)の山の大とこ尊意(そんい)闍梨(ざり)に建(た)て まいらせ給ひし法性寺(ほうしやうじ)の結構(けつかう)さながら。金玉(きんぎよく)の山なりける とそ。中古(ちうこ)より民家(みんか)のわらの軒(のき)ひきく。背戸(せど)も外面(そとも)も松あふ ちの木高(こたか)く茂(しけ)り露雫(つゆしづく)のおやみせぬに習(なら)ひて。竹のかは 笠(かざ)を能(よく)作(つく)り出しければ自(おのづから)身(み)の業(なりわひ)となり。所の名物(めいぶつ)となりぬ 東(ひがし)にふかく山に添(そひ)て東福寺(とうふくじ)の禅院(ぜんいん)そもさんか聞しらぬ 鳥のから声ちんふん閑栖(かんせい)物すごし。誠(まこと)や紫野(むらさきの)老和尚(らうおしやう)当 寺に詣(まうで)給ひし時 薮陰(やぶかげ)にされかうべの在しを   涙(なみだ)ふる法性寺笠(ほうしやうじがさ)きて見ればかはゝはなれてほね計なる と読(よみ)給ひしとかや。和尚(をしやう)も昔語(むかしかたり)に成給ひ。まして其骨だになくなりし   きてみれば法性寺笠(ほうしやうじがさ)もり茂(しげ)みほねさへくちて袖(そで)そぬれける とつぶやけば。大路(ほほぢの)かた人 声(こゑ)さはがし〱。すは馬(むま)の時分(じふん)よといふこ そ遅(をそ)けれ。皆(みな)橋(はし)づめにわしり出(いづ)。都(みやこ)遠(とを)からねど。さすがひな びたるまつり。紙(かみ)さうぞくわら具足(ぐそく)。青(あを)き男の乗損(のりそん)じて をつるあり。ふまるゝあり四五十 疋(ひき)かけちらし。爰(こゝ)よりいなり に乗(のり)行。尻(しり)につきて見物(けんぶつ)すれば。鳥(とり)ゐより又かけ出し神前(しんせん)