翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 43

ページ: 43

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給ひし。是もおそら〱は此神の嫉(ねたみ)ならん東に高き朝日山 此川べりをのぼりて。左(ひだり)に興性寺(こうしやうじ)あり楼閣(ろうかく)のけつかう。つき山 鑓(やり) 水 園(その)花 畑(ばた)えもいはれず。百合(ゆり)葵(あふひ)芥(け)子の花 更(さら)に色をあらそ ひ。五月(さつき)つゝじの千重(ちへ)ひとへ白き紫(むらさき)あからめもせぬながめ。とか 〱するほど晩景(ばんけい)に及は名残(なごり)を思ひ残して京に帰りぬ    三 天狗(てんぐ)□(もどき)のつかみて有り鞍馬(くらま)の福(ふく) 筍斎(しゆんさい)が日比(ひころ)の飛(とび)あがり。上(うへ)もなきうき蔵主しかも好色(こうしよく)のかたさへ 人なみよりまめ也ければ。女ほう玉かづら物 疑深(うたがひふか)くかりそめりやう ぢに出るをも道の程(ほど)より遅(をそ)けれは。さま〳〵に責(せめ)はたる。まして 此ほどの宇治(うぢ)の一 夜泊(やどまり)ゆめ〳〵うぢとおもはれず。たれとふしみ の色(いろ)ざとの百鳥(もず)の草ぐきおぼつかなし。後(うしろ)めたしと此のちは ふつうに外へ出さねば。したしき友(とも)も疎(うとく)なり。稀のりやうぢもなく 成ぬされば筍斎此女にかづらくらべの鼻毛(はなげ)の長(なが)さいとゞにほそ き身上(しんしやう)の渡世道(よわたるみち)も絶(たへ)はてゝ万の物の買(かい)がゝりかへす事なき かたほ波おあし淋(さひ)し〱あれたる宿(やど)に一 首(しゆ)の落書(らくしよ)を立られたり   筍(たけのこ)を引たふしたる玉かづらかゝつた物をおとささりけり かくわらはれけれど為(せん)かたなし。いでや人 力(ちから)に及ばぬ事は神(かみ) 仏にも祈(いのり)てこそしるしはあれ当時(たうじ)霊験(れいけん)。いちじるき。福神(ふくがみ)に ましませばくらまのひしや門へ福(さいわい)を祈覧(いのらん)と。女ほうねめ介相ともに。 朝またきゟ立出る。つまぐる珠数(しゆず)やしら糸を玉にもぬける柳原 猶わけ行ば上かもの川風すごく鬼(をに)の目に泪(なみだ)をそゝ〱柊野(ひらきの) を弓手に見つゝ車坂(くるまざか)万寿(まんじゆ)峠になりてくらま道はかうかととへば 【参照資料:国会図書館デジタルコレクション>浮世草紙刊行会叢書>第1巻>新竹斎>巻之三-三 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953502/176】