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此いろちこくへおちるものゝはじめを
たづぬるに身をすてるやぶさへ
しらぬびんぼう人の娘にて
しはゐてもするとをり【芝居でもする通り】
ゑてはおやはらからの【得ては親同胞の】
ためにしつみし【ために沈みし】
こひのふちにんじん【恋の淵。人参の】
のみかわりに此いろぢ
こくへおちる事にて
うられて行ときは
四鳥(してう)のわかれに
ひとしくたとへて
いはゝしでのたび【言はば死出の旅】
いきわかれの
門出にてそのみに
ぜげんのつら【女衒の面】
つきもほんだにゆうた【つきも本多に結うた】
おにと思はれむかい
の四ツ手かごはひのくるまの【四手駕籠(死出とかかる)】
やうにみへ
ますじやに
よつてびんぼう
な事 を火の車と
申( ̄ス)はこのゐん
ゑんでごさる
【左ページ】
かの川柳和尚の
うたに
「こう〳〵にうられ
ふこうにうけ出され
とはむへなるかな〳〵
アゝなむやぼだ
ふつ〳〵
「ふたりがなみ
だのおちる
おとぽた〳〵
〳〵〳〵
ぽたり
〳〵
【駕籠かきの台詞、右ページから左ページ下へ】
「コレおむすあんまり
なきやんななみ
だて
かごが
ふやける
「さきぼう
しつかりか上るぞ
「二人のし うき
づかいさつしやんな
おつゝけ きん
と
し
た
おいらんになると
今のくらしでは
まもりふくろ
にももたれぬ
やうなよき
ふとんをきて
ねる
ぞや