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と命じ玉へば宰相其過失あらんことを恐れ諫沮( |とめる)
すれども帝之を聴かす身輕に打扮(いでたち)一口の劍を
帶び更闌(こうた)け人靜まるを窺ひ獨り幕營を出で玉
ひ峻險(けはし)からざる一山を越へて平野に出てたる
時は既に日出る三竿の頃なりけり其時四方を
展眸(みわた)すところ遥かに宮殿の見ゆるあり近づひ
て之を見るに黒き大理石を磨きに琢きて築き
立てたる宮殿に水晶かと怪まるゝはかりに輝(きら)
々(〳〵)と照り耀く鋼鉄( |はがね)を以て之が屋とし其結構善
盡し美盡せり帝は是を見て大に喜び玉ひ是亦