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一竒觀なりと正門に至り門を叩ひて案内を請
ふこと數遍(あまたゝび)なれども應ずる者なければ摺門( |おりど)の方
に赴く所に一門の開けたるあり帝其傍に佇立(たゝす)
み人の出るを待玉ふに之を久ふして尚ほ一人
の出る者もなかりける帝大に不審(いふかし)み斯く廣殿
華宮の中に人の住するなきや人なければ懼る
ゝに足らす。よしや兇人の住處なるも自から防
ぐの術ありと獨言しながら。やをら摺門( |おりど)を通り
過ぎ長廊( |ろうか)に至りし時再び聲を限りに呼び號べ
ども應る者なければ帝は益怪しみながら進み