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り余が妻は親族なれば手づから殺すべき者な
らすよりて之を許し足早に籬外に走り出でた
れば吾妻は其情郎を害したる者の誰人なるを
知らす只悲み叫ぶのみなれば余は心地よく直
ちに宮裡に歸り卧し。そしらぬ風(ふり)して卧床に横
はりたり余が斫りたる創は最深くして忽ち死
すべき程なるに吾か妻の妖術を以て其生を尚
ほ保たしめ死とも云ふべからす生とも云ふべ
からす恰かも是れ入定の有様となし一處に隱(かく)
匿(まい)おき。さて夜も明け方に近き頃歸り来りて吾