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片意地も蕨がなくば干死ぬべし云々 松(ズン)江【淞江】の洗ひ鱸も向島の鯉の羹に及ず
蜀国の薑(シヤウカ)味噌は中の丁の山葵酒にしかず云々大船をうのみにする鰐ざめも
竹輪となれはやさしく也巨海に横たはる大鯨も割売となれは鍋の底ふかくそふ
云々鳶飛で天上に油揚をさらひ鮹岸にをどりて畠の芋をね ら(ラ)ふ云々
《見せ消ち:なとの名文あり|くつてはたれ》たれてはくひ腹へつたり腹へらなんだり腹へり腹
へり腹へらず云々なとの滑稽なる名文あり
キ 《割書:京伝和尚|廓中法語》九界十年色地獄 《割書:寛政三亥|三 つるや板》 《割書:京伝作|清長画》【九替十年色地獄】【コマ31】
自序に「諺に北洲の千 歳(ネン)も限り有といへるになど□かく苦界十年の限り
なき事よ九年面壁の達(ダル)しうといへとも年ん一はい□長き事を知るへからす
突出しより年明け迄 憂(ウキ)年月の隙行く駒下駄無理□ ★(ハルビ)もとかねはならす【★は子+㐮、腹帯のこと】
いやな風にもなひかにやならぬ柳の髪にさす笄は八本九□の浄土とも見ゆ
れど旦(アシタ)には忽損料やの蔵にいたるときくならく誠に奈落の責なるべしなんと
マアそうじやねへかへ」安本山三東寺狂伝和尚 女郎の苦界十年の内の
くるしき事をだんぎするしゆかう也「なむやぼだふつ〳〵」といふもおかし
苦界を地こくにたとへたる也いろ地こくととなへたり
嘘から出(デ)た実話 《割書:寛政九年巳|三 板》 《割書:京伝作| 》【嘘から出た実/虚生実草紙】
むかし〳〵あつた土佐の国かち〳〵山のふもとせんたく川のほとりなる赤本先生と云
人ありて俗の耳ちかきたとへにて教へみちひきし事をおもしろく作れり巻のはしめに
「かれ木に花の灰をもつて天地造化の理をしめし桃太郎か島渡り
に君臣父子の例を正し善悪を狸うさきにわかち邪正をぢゝとばゝにくら
べ猿のいきぎもに仏説をまうけ舌切すゝめに物かたり□□□□ト
かきたるもおもしろし
怪談 模々夢(モヽン)字彙 《割書:享和三| 三 つたや板》 《割書:京伝作| 》【コマ29】
《割書:巻首|に》娓《割書:女に尾のあるは|キツネとよむ》 ☆《割書:リツシンベンにツノは|心の鬼なり》 ◎《割書:カシラの上に皿のあるはカツハと云|字てもあらふか》【☆は忄+角】【◎は皿+頭】
云々 人けんをいろ〳〵の化物に見たてたるしゆかう也
のうらく息子の所に古人桑楊庵光のされ歌に母のちゝ父のすねこそ
恋ひしけれひとりで食ふ事のならねば」