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馬きん【馬琴】虱をたすけしより恩返しをゆめにその虱来たりておのか一生をかた
るを発たんとして虱の一生身の上さま〳〵の苦楽をいとおもしろく記す
《割書:口中 乃(ガ)|不曇鏡(クモラヌカゞミ)》甘哉(アマイカナ)名利研(メウリオロシ) 《割書:キ|》三《割書:寛政十二|鶴喜板》 《割書:山東京伝作|画名ナシ》【コマ38も見よ】
名利や欲右衛門といふもの名聞を好むをほつたんとして閻魔王にその
事をいのるに閻王名高き古人のからだのうちをさつけ給ふと夢
みる景清が目しゆ徳院の鼻いのくまの口をはしめ牛若丸両の足
迄さづ□□給ふより名聞を求んとていろ〳〵の難義する事終に
閻王の教化し給ふ事まていとおもしろく作る
穴賢(アナカシコ)狐《割書:ノ》縁組 二《割書:寛政十一|村板》 《割書:十返舎一九作|画名ナシ》
藤兵衛といふ男狐のよめ入をみて石をうちつけしより狐に
ばかさるゝ事を作る
《割書:風流|万歳》名護屋 鑷(ケヌキ) 《割書:キ|》三《割書:年号ナシ|丸小板》 《割書:丈阿作|画名ナシ》
仁木入道くわんじゆんむほん細川を罪に落さんと沢田伝治といふ書家
に偽草を書せて伝治を害るを初めとして伝治か娘おかつ父の仇
を打んとする事けいせいとなりかつらきと名のり名古や山三郎
になれそめ助太刀をたのむ事不破伴左衛門か事かつらき父の仇
打事をしるす
○此年の草双子目ろくに八十翁丈阿とあり
感徳白狐 ̄ノ 瓊(タマ) 二《割書:年号ナシ|〇【の中に「村」】板》 《割書:丈阿作|画名ナシ》
鳳凰桐之助といふ軽わざし貧苦にせまり工夫をめくらし大晦日のよ【夜】
王子社に至り狐のまねしてまんまと玉をさつかりしより小狐といふ
白狐いろ〳〵さいわひを授ることをかきたり
間違狐之女郎買 《割書:キ|》三《割書:年号ナシ|奥村板》 《割書:通笑作|清長画》
玉や新兵衛梅や初ねの事を作れり玉新狐のまねをして狐に化
される事あり