翻刻
【右丁】
ならべたるがことし。まなこのうち黄(き)なり。かう
べはちいさく。あしてのつめながく。せいのたかさ。七
尺あまりありて。色(いろ)くろく。はなあかく。歯(は)は馬の
歯よりながく。あたまの毛(け)。ねすみいろにして
ひたいのうへをりべさかつきを。ふせたるほどの。さ
かやきをすり。ものいふことかつてきこえす。こ
ゑはふくろうの。なくににたり。諸人こそりて。けん
ふつみちをせきあへず。めんていのすさましき
こと。あらてんぐと申とも。かやうにはあるまし
きと。人みな申あへり。その名を。宇留合無(うるがん)。伴天連(ばてれん)
【左丁】
といふ。心中には。きりしたんの。法門(ほうもん)を。ひろめたくぞん
ぜしかども。まつしはらく。日本の人民(にんみん)のちゑを。は
かりみるとみへたり。いろ〳〵さま〳〵。なんばん
こくの。めづらしきものを。しな〳〵もちきたると
みへたり。そのころ。せつつの国の住人。たかやま飛弾(ひだの)
守(かみ)。同 右近大夫(うこんだいぶ)尊崇(そんそう)して。すなはちしうていになる。
みよし修理大夫(しゆりのたいぶ)。まつなが。霜台(そうたい)等(とう)へ。れいぎを
申させ。日本にとゝめをくなり