翻刻
正ぜんねかひのとおり
ゆらり〳〵とさいこく
のふだをおさめそれ
よりたんばのくにへ
かゝりせんねんふみ
まよいしあたりの
やまみちはたしかこのあたりで
あつたとうろおほへのちやみせに
やすみなんとかゝさんこのやま
おくにおそろしいはゝあ【婆あ】か
あるといふことだか
そんなはなしか
こさるかとたつねれ
はそれはこのくつと【ぐっと】
やまおくにあるに
ちかひはごさり
ませぬところては【所では=このあたりでは】だれでもしらぬ
ものもこさらぬが六ぶしゆかみちに
まよいいつたひとにひとりでもかへ
つたといふことは
ないゆへなにか
よふすもしれませす
よく〳〵のことで
みせものにする
ひとさへこはかつて
いきませぬ
とんなはけ
ものてこさる
やらとはなせば
正せんつく〳〵と
かんがへろくふに【六部に】
でゝ【出て】あんなめに
あふといふもくはこの【過去の】
やくそくとはいゝなから
ばゝあひとりで
いくらの人
のつきる【尽きる=犠牲になる】ことかしらぬ
によらいさま
へのごほう【如来様へのご奉公に】
こうにいち
ばんきやうけんを
かいてみよふと
おもふ
【右丁 下段台詞】
どふいふばけ
ものたやら
さむくなつた
ようだ
ところ
しうは
しつて
いることの様【よう】