翻刻
あかりをみあてに
よふ〳〵とにしり
つきさんじや?うか【三十が?】
しうかくなれば【収穫なれば】
ゆきくれたしゆ
きやうじや【修行者】いち
やのやどをといか
めしくしかけるとこ
ろをごめんなさり
ませみちにふみま
よいましたもの
おじひにおやどを
ねがひますと
のたくりこめば
あるじとみへて
七十あまりの
ばゝアとめては
しんじやうがこゝ
にはなんにも
くいものがござ
らぬそばやき
もち【蕎麦焼餠】でもよか
あとまらつ
しやい【泊まらっしゃい】といへば
それはけつ
かふなもの
きつい
こう
ぶつて
ごさり
ますと
けいはく
たら〴〵
さて〳〵
こんにちは
おふきに
くたびれ
ましたと
わらじを
といてあがり
あたりを
みればほかに
ひともなし
すいふろ【水風呂】も
なしまづ
なんでも
かたじけないと
おもふ
【老婆の台詞】
こなたひとりか