翻刻
こはいかに。つるぎのとうげが百十丁。つるぎのとうげのありさまは。
天もちもゆんても。めでもつるきでかためた。とうげ也。こゝろもこと
ばもおよばれず。もくれんそんじやのことなれば。おいのなかより。
おんきよをとりいだし。天だいきよ七十くわん。はんにやきよ。六
十くわん。ふどうのじゆもん【不動の呪文】を。こま〴〵ととなへ給へば。かたじけ
なや。つるぎのとうげのなんもこへ。すへのぢごくといそかるゝ。い
そがせ給へば。こはいかに。くらやみとうげが百十丁。こゝろも
ことばもおよばれず。もくれんそんじやのことなれば。おい
のなかゟおんきよとりいだし。かうみやう。へんじやう。十ほう。せかい。【光明徧照 十方世界】
ねんぶつ。しゆじやう。せつしゆ。ふしや【念仏衆生 摂取不捨】とおんとき。なされ候へば。
かうは。ひかると。いふじ也。みやうは。月日の二たい也。大日そん天。いとく
のひかりを。あざやかに。しやばにもかくれししでのやま。四百
四十丁の。大なんのくるしみも。おんきよのくどくのありがたや。そん
じや。なんなくこゑ給ふ。すへのぢごくと。いそがるゝ。いそがせ給へば。
こはいかに。しやうずがばゝ。と申すあり。ぢごくへおつる。その
ものゝ。しろかたひらを。はきとつて。ぢごくへおくる。やくめなり。