翻刻
第四
かくて。そのゝち。もくれんそんじや。の事なれば。みちをはやめて。
いそがるゝ。いそがせ給へば。今ははや。六どうのつぢにいで給ふ。そのみち
六すじゆへ。いづれのみちが。八万ぢごくやら。しはしあきれて。おはし
ます。はるかむこうゟ。六だうむけんのしやくぢよもち。すみ
のころもを。ふうわつとめし。なむぢぞうぼさつきかゝり給ひ。
もくれんそんじやに。うちむかひ。おふせられて。のたまはく。もく
れんはしやかのみでしの。そふなれば。じんづうも。あるべき。はづ
なれ共。いまだしやばを。はなれん人なれば。みちをおしへて。まいら
せん。ゆんでの小みちを。ゆきたまはゞ。八万ぢごくへ。まつすぐ也はやく
ゆきて。はゝうへを。たすけ給へと。いゝすてゝ。すきゆき給へば。もく
れんは。おんあとをふしおがみ。おしへのみちを。いそがるゝ。いそがせ給へは。
今ははや。八万ぢごくへつき給ふ一百三十六ぢごく。どれにおろかは
なけれ共。とりわけ八万ぢごくのくるしみは。くろがねのとびらに。てつ
のもん。十五むかひにたちちがひ。もくれんそんじやの。ことなればもん
をひらかんよふなくて。しばしあきれて。おわします。一百三十六ぢごく。