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ぢごくをさして。いそがるゝこころざしこそ。あはれなり
第二
かくてそのゝち。ぢごく〳〵はおふけれど。一百三十六ぢごくどれ
におろかはなけれ共。とりわけにんどう。しゆらたうがきちくしやう
だう。こんやぢごくに。かぢぢごく【注1】むけんぢごく。三ねつちのいけ。とた
てぢごくとう也とたてぢごくのくるしみは。天にはごうほうのあみを
はり。ちにはらんくいのけんをうち。四ほう四めんと申るに。くろ
かねのとびらを丁とうち。その中ほどへざいにんを。おいこんで。四つの
とびらを。うつときはこたまもひゞくごとく也。又つみふかきざいにんは。ち
のいけちごくへおくる也。ちのいけちごくのせつなさは四万よじゆん【由旬=ヨージャナ、長さの単位。ゆじゅんとも読む】
なり。はゞも四万よじゆん也。八万よじゆんのそのいけに。いとよりほそ
きはしをかけ。あまたのざいにんをめしよせて。このはしわたりむかふ
のきしにつくならば。じやうぶつをとぐべしと。せめおこなふあまりせめ
るがせつなさに。わたらんとすればはしはほそし。みはおもしまん中ゟ
もふつときれ。からだはあくだうへしづむ也。たけとひとしきくろかみは。
たゞうきくさのことく也。ときにおに共申よふ。この水のみほせ。
【注1:紺屋地獄、鍛冶地獄は別府温泉の源泉の名前。またコマ5にある八万地獄は無間地獄の同義語でもあり、雲仙にそういう名前の温泉が湧く場所があり、修験僧が地獄について説く際に話題にしたらしいです。】