翻刻
かへほせとせめおこのふ。あまりせめるかせつなさに。のまんとすれば
みずはくわゑんともへ上る。かへんとすれば水はいわとへんじたり。つみふか
きざいにんは。くぎのぢごくへおくる也。くぎのぢごくのくるしみは。まづ
にんげんす人に【すへに?】。四十九本のくぎをうつ。うたれしところはどこ〳〵そ。
かうべに三本めに二本。りよのかいなに六つのくぎ。むねとはら
とに十四本こしゟあしにいたるまで。廿四本のくぎをうつ。さて
かうべ三本のそのとがは。おなじぶつほうのよにいでゝ。天たうさまを
いだいて。やみ〳〵とあかしくらしたそのとが也。りよがん日本の
そのとかは大のまなこにかどをたて。おやをにらんだそのとがなり。
りよのかいなに六つのくぎ。人のたからに手をかけてぬすみいたせ
し。そのとが也むねとはらとの十四本。わつかむね三寸のそのした
に。あきれるぢまんがしやう【?】の心をおこした。そのとが也こしゟしも
の廿四はおなじぶつほうのよにいでゝ。ちかきおてらへも。いちさの【一座の=一社の】
さんけいもせぬそのとが也。このくぎ一本も。ぬけるよしみはなけれ
ども。四十九日と申するに。一けゝんぞくあつまりてによらいに。かうげ【香華】
をくよふして。なげきかなしみよろこべば。四十九本のそのくぎは