翻刻
みな〳〵のかれてこくうゟみだの。ぐせいのふねがあまくだり。
ふねのへさきにはしやかによらい。中は三つのみだによらい。なむの
六字のほをあげてかうめうはなつてさい人をてらし給へはみな〳〵うかみあがりて。こくらくへおくり給ふ也。ありかたかりける。しだいなり。
第三
かくてそのゝち。もくれんそんじやのことなれば。いそがせ給へは今は
はや。しやばとめいとのさかへなる。三つの大が【大河】しでの山。これも
ぢごくのくるしみあり。もくれんそんじや今ははやみつの川に
つき給ふなにとわたらんよふなくて。しばしあきれておわします。
はるか川上を御らんあれば。そのたけ廿丈ばかりなる。大じや
一すじうかみいで。九万八すいのうろこをたて。十二のつのをふるひ
たて。くれないのしたをまきそんじやのまいにながれくる。そんじや
このてい御らんじて。おひ【笈】の中より御きよをとりいだし。ほけきよ
一ぶ八くわん。廿八ほんこまやかに。どくじゆし給ひて大じやに。な
けかけ給ひける。ふしぎやこの大じや。ぐぜいのふねと。てんじ
かわれば。そんじやこのてい見るよりも。なむあみだぶつ