翻刻
【右丁】
にして壮(さかんに)熱(ねつ)しあるひは出痘(とういてゝ)六七日にして□頭(かしら)
不食(しよくせす)目(め)閉(とち)てのち魂(こん)なきものあるひは湯泡(とうほう)
のことくあるひは火刺(ひてる)のことくあるひは皮肉(かわにく)
赤色(あかきいろ)にして乾くもの擦破(かきやふり)膿血(うみち)なきもの皆(みな)
治(じする)方(ほう)なししかる時(とき)は預ふせ〳〵の外(ほか)要(よう)たるは
なし予 痘(とう)を治療(りようし)するに心を潜(ひそむ)る事 数(す)
十年 出痘(とういてゝ)稠(おふ〳〵)密(みつ)にして地界(しかい)分(わか)たすといへとも
気血(きけつ)順(しゆん)なるもの熱(ねつ)自(おのつから)退(しりそ)き起脹(きはりおこり)貫膿(うみをもち)其(その)
【左丁】
期(ひかす)に応(おふ)して【爿+文】(か)靨(せ)に至(いたる)る内毒(ないとく)小水に利(り)し外(ほか)
落痂(ふたをおとす)に及ふ皮膚(はたゑ)鮮明(つやゝか)にして形色(けいしよく)不病(やます)まへ
の如し予か家(いへ)一方有り玉((きよく)兔(と)丸と名つく即(すなわち)
本草の兔(と)血(けつ)丸にして紫雪(しせつ)を加ふるものなり
これを試(こゝろみ)る事数十年其 験(しるし)あらさる事
なし依(よつ)てひそかに思ふにこれ天下の奇(き)
方なり医道(いのみち)は天下の医道(いのみち)なり一人の
医道(いのみち)にあらすしかるを深(ふかく)〳〵これを秘(ひ)し