翻刻
【右丁】
世に行はさる事 予(よ)か罪(つみ)なり又 弊(ついへ)を世に
伝(つたへ)て人をあやまつも又 我罪(わかつみ)なり天下の奇(き)
方(ほう)我(われ)一人に秘(ひ)するの罪(つみ)と其 弊(ついへ)を世(よ)に伝(つたふ)る
の罪(つみ)と何(いつれ)か軽(かろ〳〵)くいつれか重(おも)からん是故(このゆへ)に
方(ほう)を顕(あきらか)にして以て高明(こうめい)に是正(ぜせい)せん事を
願(ねか)ふのみ夫人々 製(せい)して児(じ)を愛(あい)するの
父母 請(こう)【ママ】ふにしたかふて施(ほとこ)さは豈(あに)少恵(しようけい)なら
さらんや用(もちゆ)るに時(とき)なし日々 其(その)児(じ)の年(とし)の
【左丁】
数(かす)ツヽ用(もちゆ)へし又 熱(ねつ)有るの病(やまい)は何(なに)の病(やまい)と云ふ
事を不論(ろんせす)して用(もちゆ)てよし熱(ねつ)をさる事 速(すみや)か也
出痘(とういてゝ)のよふす見ゆれは日々に三度ツヽ用へし
初(はしめ)熱(ねつ)より結痂(けつか)に至りて止(やむ)へし凡医(みしくのい)に委(たの)
付(み)して治(じ)をあやまつ事なかれ解毒(けとく)内托(ないたく)その
治(じ)を失(うしの)ふ時(とき)は医薬(ゐやく)なきにおこれり能(よく)其(その)
医(ゐ)を見てゆたぬへし心に叶ふ良医(よきゐ)なき
ときは余薬(よやく)するに及はす此玉兔丸□□