翻刻
は今様豊廿の一節太ト竿の一曲の律呂は
龍の吟するかと疑ふキウサンナノ懸(ケン)酒に生
酔の踊ものまねは海へはまるかとあふ
なし式はさらゐ小蛸あたるとて浅瀬をかせ
くもあり其外釣の一楽打調の一応様々
なるにわれも只亡然として
名月やいるさもなくけし夜は明けぬ
又此礒部伝へ奥原村船尾村等経て涌浦村へ田鶴浜
より壱里有今は和倉と書也日本一の熟湯の温泉
あり湯の嶋とて礒ゟ壱里余あり小嶋也漸満る時は
嶋をこす也汐干になれは湯坪へあつくて寄事なら
す石伝ひそた抔敷て湯汲大成桶へ三ノ一湯を入三ノ
二は埋め潮をして入となり所口にて取湯するに海
上弐里といへ共覚る事なく当分うめ水して用ゆる也
湯本所口和倉屋と云者御印物頂き一廻り壱人に湯
ちん四拾文宛取るに廻る也湯の嶋の脇に小嶋あり
弁才天の社あり風景類ひなし爰に一つの寄持【奇特?】あ
るは湯坪普請する事有熟湯にて辺へも奇【寄?】