翻刻
尻三十三文人足廿七文也此村に糟の宮とて有毎歳祭
礼に此宮の神木のたびの木に氏人新敷鎌を打込なり
此鎌次第に木の中へ入て節となる也又此村に当国三十
三所の内拾八番札所沢の観音といふ有谷内の人しれぬ
所也昔兵乱に人隠れ住し所とて不思議なる所也
又後の山を美女山とて千路の潟を見落し向の又
山々を見渡絶景至極なれは美女山とうふ此峠を
越上棚村へ出て諸所々行往来あり是を中道とて往
古の三崎迄の往来也又千路村近し柳田村も続き也
是にも杢尾坂とてあり是も同じ絶景也中山村経
て瀧谷等への往来也又此羽喰の潟縁を千路柳田村等
経て一ノ宮へ行に近し御幸の道筋也此柳田村に光守
山とて古寺の跡有観音堂あり本尊運慶の作なり
当国拾七番順礼札所也
又大町村金丸村半道有此両村共御収納蔵は潟縁にて長
家と畠山残党と合戦有し菱脇浜とは此所にて
あり又飯山へ金丸ゟ壱里拾弐丁有本馬四十六文軽尻廿
五文人足廿弐文也此大町村に氏神御門主為神社の社