翻刻
○石鹸は和名しやぼん(--------)といふ其品(そのしな)三通(みとふ)りあり白(しろ)き品(しな)は二通(ふたとふ)り
餹(あめ)いろの品/一通(ひととふ)りなり白きもの一(ひとつ)は和蘭陀(おらんだ)より渡(わた)り一(ひとつ)は唐(から)山
より渡(わた)る此品(このしな)は下品(げひん)にて内薬(のみぐすり)にはなし難(がた)し上(かみ)の和蘭陀より
渡る白きいろにて方形(しかく)なるものよし内用(ないよう)すべし若(も)し又(また)此品(このしな)な
きときは餹色(あめいろ)のものを用(もち)ゆべし此(これ)も和蘭陀より渡るものなり
和(わ)にても製(せい)すれども下品(けひん)にて垢(あか)おとしには用(もち)ゆべしといへども内用
には供(そな)へがたし
龍脳醋(りうのうさく)の製(せい)し法(かた)
○厳醋(つよきす)二合(にがう)龍脳四匁右先づ龍脳(りうのう)を乳鉢(にうはち)にて摺(す)り細末(さいまつ)となし
醋(す)をそろ〳〵と入(い)れてよく交(まじ)へ夫(それ)より下(しも)に圖(づ)するが如(ごと)く蒸露鑵(じようろくわん)【ランビキ 左ルビ】に
入(い)れ焼酎(しやうちう)を取(と)る如(ごと)くになして其(その)露水(つゆみつ)を硝子壜(せうしどん)に受(うく)るなり大(たい)
抵(てい)五勺(ごしやく)計(ばか)りもとりて其味(そのあじ)うすくなるときはこれを引離(ひきはな)し其口(そのくち)
を黄蝋(わうろう)又(また)は硬(かた)き髪油(ひんつけ)を以(もつ)て栓(せん)となし氣(き)のもれぬよふになし
貯ふるなり