翻刻
入(い)れ其/合際(あわせめ)を蚌灰泥(しつくい)にて塗(ぬ)りかため圖(づ)にある如(ごと)くに少し斜(なゝ)めに傾(かた)
むけてしちりんの上に載(の)せ四方(しほう)より炭(すみ)を積(つ)みかさね烈火(つよきひ)にて
焼(やく)なり然(しか)るときは其/小(ちい)さき壜の口より水(みづ)滴(した)だり出(いづ)るなり此水/始(はじ)めは
淡(あは)くして味(あぢ)なしいでしだいにして捨(すつ)つべし大抵(たいてい)しかけてより一時(ひとゝき)余
をすぎていづるものは烟(けぶ)りの如(ごと)くにして人々此氣にあたれば咽(むせ)びて
其/味(あじ)は酸(す)く澁(しぶ)し此時は其/小(ちい)さき壜の口に別(べつ)に和蘭陀(おらんだ)渡(わた)りの硝(せう)【フラ 左ルビ】
子壜(しどん)【スコ 左ルビ】を連(つら)ね《割書:和製(わせい)は用ひ|がたし》其(その)合際(あわせめ)を蚌灰泥(しつくい)などにてぬりかため其
蒸氣(いき)外に漏(も)れずしてみな硝子壜の内(うち)に滴(した)たりたまるよふに
なすべし炭(すみ)は始終(しぢう)つぎ加(くわ)へて火勢(ひのせい)弱(よわ)らぬよふになすべし若(もし)
大壜(おほどくり)少し破(わ)れて是より少し烟(けふ)りの出るときは蚌灰泥(しつくい)を外(ほか)より
塗(ぬ)り繕(つくら)ふべし大抵(たいてい)春の日にても朝よりしかけて夕(ゆふ)かたまで此(かく)
の如(ごと)くになして焼(や)き其/壜(とくり)の口より少しも烟(けむり)の下(くた)らぬよふになる
にいたりて硝子壜(せいしどん)を引離(ひきはな)し其口を黄蝋(わうろう)又は硬(かた)き髪油(びんつけ)等にて
栓(せん)をなし氣の漏(も)れぬよふになし貯(たくわ)ふるなり但(たゞ)し此(こゝ)に示(しめ)す法は