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風俗(ふうぞく)にて疫熱に限(かぎ)らず総(そう)じて熱氣(ねつき)ある病には夜被(よぎ)を重(をも)くなし
固(かた)く窓戸(そうこ)【「マドシヤウジ」左ルビ】を閉(とぢ)或(あるい)は屏風(びやうぶ)を繞(まは)し少しも風の來(きた)らぬよふになし
只(たゞ)汗(あせ)のみ出(いだ)してよきことのよふにおもふは大(おほい)なる謬(あやま)りなりこれにては
軽(かろ)き病も重(おも)き病となるものなりよく〳〵この處を了解(りようげ)【「ガツテン」左ルビ】して氣の
通(つう)し風の來(きた)るよふになして内(うち)にある陳舊(ちんきう)【「フルキ」左ルビ】の汚氣(をき)【「アシキキ」左ルビ】を除(のぞ)き外(ほか)にある新(しん)【「アタラ」左ルビ】
/鮮(せん)【「シキ」左ルビ】なる清氣(せいき)【「ヨキカゼ」左ルビ】を入るべしよく此氣を入れ代(かゆ)る法は先(ま)づ冬なれば病人の
寝室の窓戸を閉(と)ぢて其内に大なる火鉢(ひばち)に火を熾(さかん)になしたる
を置(を)き温(あた)たかになし急(きう)に窓(まと)の戸を開(ひら)くべし然(しか)るときは其内(そのうち)の旧(ふる)
き氣(き)は外(ほか)へゆき外の新(あたら)しき氣は内に入り新旧(しんきう)交代(かうたい)するなり其後火
鉢(ばち)を去(さ)り戸を閉るを良(よし)とす大抵(たいてい)熱病(ねつびやう)には此法(このほう)を一日に三四度(さんよど)も
行ふべし又夏なれば火(ひ)を用ゆるに及(およ)ばず其寝室の内に風の少し
來りて稍(やゝ)涼(すゞ)しきよふになすべし又大勢の人/攅簇(さんぞく)【「ゴタ〳〵」左ルビ】して病室(びやうしつ)【「ビヨウニンベヤ」左ルビ】に集(あつま)
り看護(かんご)するは氣を鬱せしむる理(ことは)りあれば宜(よろ)しからずとす無/用(よう)の人は
なるたけこれに居(お)らぬよふになすべし但(たゞ)し若(も)し又やむ事なき