翻刻
こめられて此ほとうきめを御覧して
おはしませはたはかり出し参らさせ
給へといひけれはときわ聞て御待候へ
とて宮の御くるまにをいつき参ら
せんいまたともかくも申さて御車た
まはらんと申けれは宮何事共聞わけ
させ給はすときわか申事なれはを
りさせ給ふ御車たまはりてかの所へや
り入て爰あけよやはりまの三位の本
よりそこよひの御とのい【宿直】はたそはや
〳〵あけよといひけれはさんみといふに
したかひてやかて門をあくる車をやり
入はや〳〵めせと申けれはひめ君のり
給へは人〳〵嬉しさ夢の心ちしていそき
御とも申けり宮御車にのりうつらせ
給ひてわかれ給ひしより今まての御
恋しさいか成所におはしますとも
かせのたよりのをとつれおもなとや
かくともしらせ給はぬそとうらみ給へ
はひめきみとりあへす