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熊野なる入江の奥の椰の葉よ
參りの人の祝なるらん ヤンヨウ 神ヲヤンヨヨウ
井垣に建てる榊葉よヤアー
神のしるしなるらんヤンヨウ 神ヲヤンヨヨウ
三河なる今子の橋を いざやとどろ〳〵と打渡り
ハア思ふ人渡れよ ハア思ふ人渡れよ
橋本の千本の松は西東の名所よ ハア沖の白浪
見下せば 鹽見坂名所よ 鹽見坂名所よ
姫島をさし出て見れば笠島よ
沖こぐ船に袖ぬらす ぬれてさヽらすろう すろう
駿河なる富士の高根は名所かな 富士の高根の洲流れて
流れもやらぬ浮島が原 ヤンヨウ神ヲヤンヨヨウ
奈良の都の八重櫻ヤー 奈良の都の八重櫻
田面はしれば志賀の都名所よ 志賀の都名所よ
鶯が櫻の枝にすをかけて
ゆられて花のちるをしさよヤンヨウ 神ヲヤンヨヨウ
時鳥深山渡りをするときはヤア卯月に渡れほとヽぎす
里へ下ればさへずるならんヤンヨウ神ヲヤンヨヨウ
秋の野のさを鹿戀にこそやつれよ
秋こそ虫がさらりさらりと ヤンヨウ神ヲヤンヨヨウ
鹿の啼く音に夢さめて 秋は心すごいよ 秋は心すごいよ
青柳の糸をくりくりためて
はたをへるハアもようよ もようよ