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コレクション: 愛知県豊橋市関連資料

東三河道中記 : 豊橋市及其附近案内 - 翻刻

東三河道中記 : 豊橋市及其附近案内 - ページ 94

ページ: 94

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傍に其由を認めた紀念碑が建てられてゐます。  次の鳳來寺口驛から田口鐵道に分岐して居ります。鳳來寺へはこ  こで乗換へ、次の門谷の驛から登りますが、その門谷の道添ひに  ある「ねずみさし」の老樹は圍り十一尺余もあつて全國でも稀な  ものと云ひます。 鳳來寺【ゴチック見出し】は一名煙巖山ともいひ、全山殆んど火山質で主に流紋 岩ださうです。最頂部を瑠璃山といつて海抜二千五百五十七尺あり ます。この山は地質學及び植物學上の絶好な標本である許りでなく 風影がよく歴史に富んで居ますので、全山が天然紀念物に指定され ました。  山麓から本堂まで凡そ十町の間に千六百の石段があり、途中二町 許りの處に仁王門があります。これは徳川初期の建築で多分慶安頃 のものでせう。仁王尊の偉大なのが頑張つてゐます。集古十種に載 せられた鳳來寺の額はこの門に掲げてあります。門のすぐ下の石段 の送【ママ・途の誤植か】中に、芭蕉の句碑がありまして、    「こがらしに岩吹きとがる杉間哉」  とあり 建てたのは明和三年ですが大分風化して余命幾何もないといつた有 様です。この門から少し登つた處に傘杉と呼ばれる大木があり、樹 高三十間余、圍り二丈二尺で枝下二十一間に達しますが、まだ〳〵 素晴しい勢で成長しつヽあります。これから三町許り参りますと尼 寺が一つ、その上に醫王院がありますがこれが塔頭で、此附近から 四町許り上の本堂邊にかけて森青蛙が住み、盛夏の候樹上に泡を吹 いて卵を生む有様は實に面白く感じます。本堂の少し下に藥師の露