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コレクション: 愛知県豊橋市関連資料

東三河道中記 : 豊橋市及其附近案内 - 翻刻

東三河道中記 : 豊橋市及其附近案内 - ページ 99

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乳岩、天然橋【ゴチック見出し】こヽで有名な乳岩は驛から十五六町で行けます。 海抜は千四百尺許りですから余り高い山ではありませんが、其山中 に洞窟や石門或は胎内潜りといつたやうなものがあるので有名です【行末句点省略】 此等のものを順次に見る樣に道がつけてありますが、全山流紋岩質 凝灰岩で一寸見ると石灰岩のやうです。道の順序で申上げますと、 第一が乳岩で洞窟の深さも巾も各六十尺高さ四十尺ありまして、天 井には鐘乳石が發達してゐますが石灰洞で出來るのとは違ひ長さは 漸く一尺内外です。乳岩とは其形から名づけたものでせうがかく凝 灰岩の洞穴に鐘乳石の出來るのは珍らしい例ださうです。  次が目藥岩で巾が五十尺高さが二十三尺、奥行が三十尺許り、天 井の一部から鹹味のある白い粉を吹き出してゐます。これを水に溶 かして目藥にするさうですが分折【ママ・析の誤植か】の結果は余りきヽさうにもありま せん。  其次が天然橋といはれる石門で、巾が七十尺、高さが七十五尺と いふ大穴が岩にありまして、下に立つて見上げますと、天然の大石 橋の空間にかヽつてゐる樣は實に奇觀でして、誠に驚くべき自然の 技工です。  道はこれから下り坂となります。さて其次が胎内潜りで、穴の長 さが約七十尺、途中で曲つて居るので中は眞暗です。次に又小さい のが一ツありますが、この方は巾五尺、高さ四尺位で長さ十五尺に 過ぎません。次が新穴で梯子によつて井戸の底へでも降りて行くや うな道がついてゐます。これは第一と第二と聯絡し五六十尺をかう して降りるのですが、頭上の巨岩が今にも落て來さうであまり好い 氣持は致しません。これを出て少し行きますとこれで一周した事に