翻刻
【右丁】
太白(たいはく)砂糖 壱貫目
山のいも《割書:皮をさり|おろす》弐百匁
右よくませ合せ水四百五拾目をだん〳〵少(すこ)しづゝ入火に懸(かけ)る也
砂糖にえたちたらば火を引しばしねさせおけば垢(あか)の分(ぶん)堅(かたま)りて
上にうき上る其とき金(かね)の細杓子(あみしやくし)にてすくひとり又一たきすれ
ば垢(あか)のこらず上へうく也其/垢(あか)を取尽(とりつく)し布(ぬの)にて漉(こ)し壺(つぼ)に
貯(たくは)へおくなり○氷(こほり)砂糖のみつも右/同断(とうだん)にしてよし
○あげまきの法
糯米(もちこめ)の粉《割書:寒さらし|》壱合
【左丁】
白砂糖 三十目
右二品よくこね合(あは)し白角豆(しろさゝけ)のこし粉(こ)に赤小豆(あつき)をよく
煮(に)て丸粒(まるつふ)にて入/砂糖水(さとうみづ)にてこね丸(まる)め右にて包(つゝ)み棹(さを)にし竹(たけ)の皮(かは)
に巻(まき)て蒸(む)し冷(ひや)して切り用(もち)ゆるなり
○寒晒(かんざらし)の粉(こ)の製法(せいはふ)
糯米(もちこめ)粳米(うるごめ)とも極(こく)上々の白米(はくまい)を炊(かしき)して七日つけ置也
《割書:但|》二日に一/度(ど)つゝ水(みづ)をかへる七日/経(へ)て石臼(いしうす)にて挽(ひき)かすを漉(こ)し
去(さ)り又/桶(をけ)へ入二日ばかり淪(い)させ水をさり麹(かうじ)ぶたに紙を
敷上(しきあ)げて干(ほし)かため置なり幾年(いくねん)経(へ)ても虫(むし)づる事なし