翻刻
【右丁】
竹(たけ)の筒(つゝ)に仕(し)こみ木(き)にて蓋(ふた)をし気(き)のぬけざるやうに貯(たくはふ)べし
○手製(しゆせい)胡麻油(ごまあぶら)の法
胡麻(こま)一/味(み)をすり鉢(はち)にて極(ごく)こまかになるまて能(よく)すり布(ぬの)の切(きれ)
につゝみ鍋(なべ)に水を沢山(たくさん)に入れすり鉢(はち)をもよくあらひて其水も
入れつよき火(ひ)にて煮立(にたつ)るときは油の湯(ゆ)の上(うへ)へ浮上(うきあが)るなり
其うきたる油をせんぐり〳〵金杓子(かなしやくし)にてすくひとりさつはり
油のなきまで取/尽(つく)しさて鍋(なへ)の水を取(とり)すて救(すく)ひたる油
はかりを煮詰(につめ)る也/水気(すいき)は自然(しぜん)といりつきて油(あふら)ばかりになる
なりこれを手製(しゆせい)ごまのあぶらといふ也
○松茸(まつたけ)の貯(たくは)へる法
松茸の随分(ずいぶん)新(あた)らしき中(ちう)びらきなるを石突(いしづき)をよく去(さ)り
厚紙(あつがみ)を袋(ふくろ)にして其中へ入れ煙(けふり)の入らざるうやうに口をよく封(ふう)じ
常に煙(けふり)のなき所につり置(おき)入用の節(とき)取出(とりつだ)し米泔水(しろみづ)に浸(ひた)し
つかふ其/匂(にほひ)失(しつ)せず生のことし
○柿(かき)をたくはふの法
随分/新(あた)らしき柿(かき)を生(き)しぶにつけ置は一日に一つも損(そん)ずる事
なく同気(どうき)相もとむるの理(り)なるべし物類(もつるい)の感通(かんつう)すること妙といふへし
○からみ大根(だいこ)なき時の法