翻刻
【右丁】
明礬(めうばん)の粉
赤小豆(あづき)の粉
黄栢(かや)の粉
右三味/細末(さいまつ)して絹(きぬ)につゝみ水にしめし紙(かみ)にかゝんと思ふ所(ところ)かるく
たゝき付/置(おき)墨(すみ)をこくすり何(なに)にても書(かき)たるを上(うへ)にして水にうつし
はし先(さき)にてそろ〳〵と紙(かみ)のはしの方(かた)よりおさへゆけば書たる墨(すみ)ば
かり水(みつ)上にうかみ紙(かみ)は水底(そこ)に沈(しづ)むなり又/外(ほか)のぬれざる紙にて浮
たる文字(もし)の上におけば其かみにこと〴〵くうつるなり
○白紙(しろかみ)を火(ひ)にてあぶれは文字(もんし)顕(あらは)るゝ法
【左丁】
上酒(しやうさけ)にて何(なに)なりとも文字(もし)を書(かき)よく乾(かはか)し置(おく)なりさて火にて
あぶれは其/如(こと)くに文字(もし)あらはるゝなり
○白紙(しろかみ)に火をつくれはしぜんに文字/焼(やけ)ぬける方
炭火(すみひ)の上(うへ)にあるじやう【注】といふて白(しろ)き灰(すみ)【はい】をとり硯(すゞり)の中へ入て
墨(すみ)をすり此/墨(すみ)にて何にても書(かき)てよく火(ひ)にてかはかし其/文字(もし)
の処(ところ)へ火を付(つく)れは文字たけ焼(やけ)ぬけて彫(ほり)ぬきのごとく成也
○白紙を水(みづ)につけて文字(もじ)あらはるゝ方
明礬(めうはん)を水にてとき何(なに)なりとも書(かき)て能(よく)かはかしおけば少(すこ)しも知(し)れぬ
ものなり是を水(みつ)にうかせば文字/白(しろ)くあらはる也
【注 「じょう(尉)」は、炭の形のままの白い灰】