翻刻
【右丁】
○蓮根(れんこん)をかたくし彫物(ほりもの)などせらるゝ法
蓮根(れんこん)と牛蒡(ごばう)根と一所に清水(みつ)にて煎(せんじ)る也十分に熟(じゆく)□【しヵ】
たるとき取(とり)出し日に干(ひ)す也/乾(かは)くにしたがひて蓮根(れんこん)次第に
かたくなる事妙なり是(これ)を以て随意に彫物(ほりもの)すべし
○絹布(けんふ)にどうさ引(ひか)す墨(すみ)ちらぬ法
生姜(しやうが)のしぼり汁(しる)又/糯米(もちこめ)の粉(こ)を少(すこ)し墨にすり込(こ)むときは
墨ちらず暖簾(のうれん)などこれにて書べし
○銅(あがゝね)【あかゞねヵ】道具(どうぐ)垢(あか)付(つき)穢(よごれ)たるを落す法
梅酢(うめす)にてみがきとの粉(こ)にてこすれは新(あた)らしき器(うつは)の如(ごと)くなる也
【左丁】
○割(われ)たる道具(だうぐ)つきやう
麩(ふ)を板(いた)の上におしひらめあめいろになり堅(かた)まりたるを粉(こ)に
して貯(たくは)へおき道具(どうぐ)われたるとき水にてねりつくべしふたゝび
はなるゝことなく漆(うるし)つぎ同やうになること妙也
○遠路(えんろ)を歩行(あるき)て足いたまざる法
遠路(とをみち)を行ときは足(あし)のうらと甲(かう)とに胡麻(ごま)の油をぬれば
いたまず又/洗足(せんそく)して後(のち)塩(しほ)を少(すこ)しつばにてとき足(あし)のうらと
甲(かう)とにぬりて火(ひ)にてあふるべし斯(かく)すれは足いたむことなし
○足(あし)に豆(まめ)の出来(でき)ざる妙方