← 前のページ
ページ 12 / 174
次のページ →
翻刻
歎しき事になんもとより山城国殊に愛宕の
郡に生るゝ人は賀茂太神宮の御氏子也せめては
年に一度参詣をもいたし日に一たひ北に向て
祈念遥拝をもいたすへき事也と《割書:云| 々》又天(〽[朱] )子御拝
の事を公家の御記に賀茂上下皆堂上にして
御拝あり枕上の事 鳥羽白川両法皇ことに北枕
におはしますと《割書:云| 々》賀茂と伊勢御神此神国にして
霊験あらたなる大社におはします事はもろこし
にも伝うけ給りて皇朝(〽[朱] )類苑と云書に書載せし
は日本は神国にて専神道を奉(アカメ)て祠-廟(゙)多し
伊州に大神あり山州に賀茂神まします三
五歳の童子に詫して禍福の事を降言すと
いへり当御神の《見せ消ち:詫|託[朱]》宣おはしまし或は夢に告
させ給ふ事ともあけてかそへかたし神詠ともの
勅撰集に入たりけるは
我たのむ人いたつらになしはては又雲分てのほるはかりそ
慈悲のめににくしと思ふ事そなきとかあるものは猶哀にて
鏡にも影みたらしの水の面にうつるはかりの心とをしれ
是又賀茂に詣ける人の夢に見えける
左兵(〽[朱] )衛督高遠と云人賀茂に七日詣けるはての夢に