← 前のページ
ページ 22 / 174
次のページ →
翻刻
此祭(〽[朱] )に琴なと持つらなりしをその事なく
なりぬとなけきて三位氏久の神主のよめる
哥則新千載集に入られける其詞書に
当社の臨時祭に山城の国のみこともちなともなく
て社の和琴をかり渡され侍けれは見し世にも
あらすすたれ行さまを思ひつゝけてよみ侍りける
引かへて成行世こそかなしけれ昔のことのしらへならねは
卯月(〽[朱] )の葵祭も寿永のさはきより此比ほひ世の
乱にて神事料も落行つれは祭も絶々なりしを
鎌倉の大樹の御時公家に仰合せられて神領なとも
かへし寄られ神事も再興ありしとなん或記(〽[朱] )云
嘉禎四年四月十六日辛酉賀茂祭を将軍家
御見物ありけり勅使の出立出車騎馬の餝り
まて例年に超て花美なり大樹の御家人《振り仮名:廷-尉|テイイ》
能-行定-平基-政光-頼頼-業等大路を渡る御桟
敷前にしてはことにこゝろつかひし侍ると《割書:云| 々》
五月(〽[朱] )五日競馬は堀川院の御叡願にて五穀成
就天下安全の御祝祷として寛治七年より始
らる十番廿疋の馬料を寄られ例年に執行
せしめらるかの武徳殿にてありし面影をう
【能-行定-平基-政光-頼頼-業の「-」は朱書】