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翻刻
元亨(〽[朱] )の比競馬料運送なかりしを尊氏将軍の
御時の下文にて他国の神領少々かへしよせられて
諸神事簡略なから社家の沙汰として無退転勤
来候武家の御所より御祈のため名馬なと引立
られて度々御覧しける事あり近代には天文廿
一年五月五日義輝公渡御なされて御見物あり
ける其時さらに三番臨時の競馬あり乗尻も御
馬も相応してすくれたるを神事はてゝ走けるよし
見えたり其後信長公も御見物あり◦(又)後陽成院御
即位あるへきみきりいまた親王御所と申奉りし
御時御敬神のため競馬の日行啓ありて御覧
の事あり又永禄七年には公方の御願として
廿疋の御馬引立奉らる鞍皆具まていときら〳〵しく
目出かりし見物也とそ社記に見え候永禄十二年
に公方義昭公渡御御馬廿疋引立らる元亀
元年の記云武家御所の御馬二十疋の内に荒馬
三疋あり一番の左は倭文料馬社例のことく二番金
津庄の料馬は八番へさかり一疋は九番へさかり一疋は
十番に下る公方御寮の御馬とても足そろへに
出足遅けれは社法にまかせて如此也御馬奉行