翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

新板替道中助六 : 3巻 - 翻刻

新板替道中助六 : 3巻 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

【枠内】 しま田 【本文】 かゝる月やりはんじやうの たびも日を かさねけれは はや みな 〳〵 大井川へ かゝる くわんへら 「千兵衛〳〵 なんだ〳〵 川はあさいかふかいか みてくれろ 「あけまきか 大井川を こすとは れんだい みもんの早瀬(はやせ)の たねだ 【前代未聞の話のタネとかけている。れんだい:輦台は人をのせて川を渡す道具。あげまきが乗っている】 「これからは 此あげまきが あくたいの はつねか ゑ 【左ページへ】 助六さんと いきうさんものに ことへて いわふなら 小田はらのてうちんと 三井寺のつりがね ふしのしらゆき ならのすみ 天龍川も大井川も 川といふじは一ツでも ふかひあさひはふねと かちくらがりとうげで みたといふて助六さんと いきうさん みちがへてよひ ものかいナア 「いきうどのあさせの 所で一ツめしあがれ 手がとゞかぬから ふしつけながら あしでしん上いたす ごめん〳〵 【助六が遊女からもらった煙管を意休に足で渡すシーンのパロディ】 「川の中では おもふやうにりきみ にくひ 「川ごしも中〳〵 こゝろきいたるものにて 下から口でひやうしをとる かたり〳〵〳〵 かた〳〵かつたり 【下へ】 「ひへもので ごめん なさい やつとこ とつ ちやァ うん とこな 【右ページ下】 いきうはかねて あたじけない 男ゆへ 川こし に ちよ せん を かはひ ひとり にて こす を 助六 にく かり そつと あたまへ げたを のせて おく いきうは しらずに いるゆへ みな〳〵 これを みて けた 〳〵 下駄 【左ページへ】 〳〵 〳〵〳〵 と わらふ 【助六の芝居に意休の頭へ下駄をのせるシーンがある】