翻刻
【右丁】
風ひかざる先きに風薬を用ひおりしかば流行(りうかう)の邪気(じやき)
をまぬかるべしとおもひ風薬をもとめ用ひしかは其時 反(かへつ)
て大に風に感ぜしと世上(せじやう)多(おゝ)くは是に近(ちか)し風薬は外(そと)へ発
する薬故 表(へう)をひらくの薬力(やくりき)なるが故に反(かへつ)て邪気(しやき)をうくる
事すみやかなりといふ事をしらざるが故也 是等(これら)は甚
しきのいたりなれども病(やまひ)の道理(とふり)をもしらずみだりに薬
を服(ふく)するときは是等に近(ちか)き路(みち)あれば薬を用るとも深(ふか)く
心を用(もち)ゆべき事なり
こけぬつえ上終
【蔵書印】
大八木蔵書
【左丁 白紙】