翻刻
【右丁】
ぬき桑をかけ其儘置へし夜はひきさるもの也多く翌
朝の五ツ過又は八ツ時より夕方迄ひきるもの也一通りひろひ
其後をこしりをぬく事蚕の秘伝也但しまふしは
随分うすくやとひはりより上暖なる所へやとふへし
今我等心底に治め置事■【悋ヵ】行先のうたかふく【人ヵ】に
養蚕の利をかきあたへしに五年十年つゞいて
はづしたる人十分にしおふせ近年をしへの外に
さま〴〵の手練を得勝れて上手になり大不順なる
年にも間違なしゆへに数多望人ありて書うつすに
いとまなく我文盲の身として他のあさけりをかへり
見す是を書集開板せしむるといへとも元来不才
にして文字かなつかひあやまり少しからす然しなから
養育の利におゐてうたかふへからす
文化五辰のとし
【左丁】
西春近村桑畑開墾費途官費民費之区別先般
上申書ニ記載無之ニ付猶又御尋問□□承仕候
右者民有地入会之場所開墾仕度請願ニ付承届
迄ニテ費用ハ勿論民費ヲ以テ仕払候儀ニ御座候
此段上申仕候以上
明治■年三月廿日 旧高遠県
《割書:旧権少属》岩崎博水
《割書:旧大属》 岡村忠隆
養蚕【鉛筆書き】 《割書:同》 小谷信常
《割書:旧少参事》内藤世惇
《割書:同》岡村忠礼 《割書:出県ニ而|無印》
《割書:権大参事》河野通知
《割書:旧大参事》浅井政悦
長野県権令楢崎寛直殿