翻刻
かんばんの、かざりもんのと、にぎやかだガ、よし
原(はら)じやア、俄(にはか)がすむと、ちや屋の二階(にかい)で、
わた入(い)れものをするやうになツち‾ やア、モウ
いかねへ、 〽(おべん)ヲヽさむい、なんぞあツたかいも の(ン)でも
くひてへもんダ、〽(粂)そんならなんぞおごろう、 取(と)ツ
てきねへ、トいふところへ、となりの土弓場(どきうば)の
むすめ、 紙(かみ)をもちながらちよこ〳〵とあゆみき
たり〽チヨツト間男(まをとこ)のでんじゆは、これこの紙(かみ)
に、きりをふき、 音(おと)のしねへようにもみま
して、ハイさやうなら、お手水(てうづ)にト、にこりと笑(わら)ひ、
行(ゆ)くあとに、 〽(おべん)あの子(こ)をみねへナ、 内(うち)に子(こ)がある
やうに‾ やアみえねへのウ、 〽(粂)そうヨ、 〽(おべん)この間(あひだ)お客(きやく)
が、わたしにおめへに秘書(ひしよ)をやらう、コリヤア褥合(しとねがつ)
戦(せん)のせめ道具(だうぐ)だ、トいつてこんなものヲおくれ
だが、なんだかサツはりわからねへ、トみせるをみ
れば、危檣丸(ほばしらぐわん)の書(かき)つけなり、 〽(粂)ムヽ四(よ)ツ目(め)屋(や)か、