翻刻
こゝにやアおめへのうれしがる、道具(だうぐ)がたくさん
あるゼ、〽(ぐんしよの心いき)よろひ、かぶとに、りんの玉(たま)、しかもその
日(ひ)の大将(たいしやう)は、 人(ひと)もしツたる弓削(ゆげ)の道鏡(どうきやう)おほ
べのこ、まらの威勢(いせい)のつよきこと、おそれぬもの
のあらばこそ、 西(にし)は九州(きうしう)ひごずゐき、 東(ひがし)はまつ
まへおツとせへ、 風(かぜ)もふかぬにぼゞの毛(け)の、な
びかぬものこそなかりけれ、」〽(おべん)ナニヲいふのかとお
もへば、なんだいやヨ、 〽(粂)ヨウちよツとはなしがあ
中 三
るから、こゝへきねへ、 〽(おべん)なんだへ、 〽(粂)この中(ぢう)からいは
ふとおもツたが、けふはひまでちやうどいゝ、けふ
こそおれがいふことをきかせねへじやアならねへ、 〽(おべん)ナニ
こゝでか、イヤ〳〵こんな所(とこ)で、この頃(ごろ)にいゝ間(ま)があツ
たら、その時(とき)のことにしねへナ、 〽(粂)ナニヲいふンだ、とうか
らこうしやうとおもツてナ、あたまの物(もん)は、小間(こま)
物(もの)やのへどほども、買(かつ)てやるし、お白粉(しろい)といやア、
百閒中屋(ひやくけんながや)のしらかべをぬるほど、しおくツてお