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コレクション: コレクション2

国字痘疹戒草 3巻 - 翻刻

国字痘疹戒草 3巻 - ページ 90

ページ: 90

翻刻

【右丁】      後(のち)小瘡(ちいさきでもの)となりて日久(ひひさ)しく愈(いへ)ざるものは少々(せう〳〵)あた      ふべし又/鴿(いへばと)の一/種(しゆ)あり毒あり食(しよく)すべからず 一/鶉(うづら)   毒なし五臓(こぞう)を補(おきな)ひ中気(ちうき)をまし筋骨(すじほね)をつよく      すといへども痘中(とうちう)あたふべからず痘後(とうご)全快(ぜんくわい)す      るをまつて塩噌(ゑんそ)に和(くわ)し煮(に)喰(くら)ふべし又/告天子(ひばり)も      功能(こうのう)鶉(うづら)に同(おな)じ 一/雀(すゝめ)   毒(どく)なし痘中痘後(とうちうとうこ)禁(きん)ずべし又痘後/目疾(めをやむ)もの      雀(すゞめ)の頭頂(かしら)の血(ち)をとりて眼中(かんちう)に点薬(さしくすり)となすもの      ありといへどもいまだ其功(そのこう)を見ず大抵(たいてい)痘後(とうご)余(よ)      どく目中(めのうち)に入(い)るものは指薬(さしくすり)を大に忌(い)むべし 【左丁】      目(め)の瞳子(くろたま)傷潰(やぶりついやし)て廃人(かたわ)となるといへり故(ゆへ)に妄(みだり)に目中(めのうち)に      さしぐすりをする事を禁(きん)ぜよ又/椋鳥(むくどり)比衣鳥(ひへとり)みな      毒なしといへども痘中痘後百日/禁(きんじ)て与(あと)ふべからず 一/兎(うさぎ)   毒(どく)なし血(ち)を涼(すゞしく)し熱(ねつ)を解(げ)す大腸(たいてう)を利(り)すゆへに      痘中用ゆるを忌(い)め又/臘月(しわす)八日の朝(あさ)霜露(しもつゆ)をのみたる      兎(うさぎ)をとりて痘前(とうまえ)に食(しよく)するときは出瘡(でもの)稀少(すくなし)といふ      説(せつ)ありといへどもいまだその功(こう)を見(み)ず又/預(あらかじめ)稀痘(きとう)の      薬(くすり)に兎血丸(とけつくわん)兎紅丸(とこうくわん)の類(るい)あり往々(おう〳〵)是(これ)を用(もち)ひて未(いま)だ      其功(そのこう)を見(み)ず尤これは古(むかし)よりのまじないなるべし      随分(すいぶん)用ひて妨(さまたけ)なしあたふべし

現代語訳

【右丁】      後に小さなできものとなって長期間治らないものには少々与えて      よい。また家鳩の一種で毒があるものがあり、食べてはならない。 一 鶉(ウズラ)   毒はない。五臓を補い中気を増し筋骨を強く      するといっても痘中は与えてはならない。痘後完全に回復      するのを待って塩味噌に和えて煮て食べるべきである。また雲雀も      効能は鶉と同じである。 一 雀(スズメ)   毒はない。痘中・痘後は禁ずるべきである。また痘後に目を患うものに      雀の頭頂部の血を取って眼中に点眼薬とするものが      あるといっても、まだその効果を見ていない。大抵痘後の余      毒が目中に入るものは点眼薬を大いに忌むべきである。 【左丁】      目の瞳孔を傷つけ潰して廃人となるといわれている。故にみだりに目中に      点眼薬をすることを禁じよ。また椋鳥・比衣鳥もみな      毒はないといっても痘中・痘後百日間禁じて与えてはならない。 一 兎(ウサギ)   毒はない。血を涼しくし熱を解し大腸を利すゆえに      痘中用いることを忌め。また臘月八日の朝に霜露を飲んだ      兎を取って痘前に食するときは出る瘡が少ないという      説があるといってもまだその効果を見ていない。また予め稀痘の      薬に兎血丸・兎紅丸の類があり、しばしばこれを用いてもまだ      その効果を見ていない。もっともこれは昔からのまじないであろう。      随分用いて害はない、与えてよい。