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【見開き二頁にわたり女性風俗の図八図とその説明文】
【右頁 欄外余白にタイトル 右から読む】
女(おんな)風(ふう)俗(ぞく)
【右頁上段 公家の女性の図】
公家(くげ)【左に】「こうけ」
女御(によご)后(きさき)などとのふる。まことにしぜんと風義(ふうぎ)けだかく。
しゆせき【手跡】うづだかく。哥(うた)のさまをのづからにそなわり。
五つかさね衣(きぬ)に。ひのはかま【緋の袴】めしたる御ありさまひ
ころはいゝ申
にはあらねど
古き繪(ゑ)本に
畫師(ぐはし)の書たる
を。見ぬ人のた
めに。絵すがた
のふうぞくを
こゝにうつし
しらしむる
ものなり
【右頁上段 武家の女性の図】
武家(ぶけ)
北のかた。御前(ごぜん)様 奥(をく)さまなどゝいふ。武家(ぶけ)の女子(によし)は風俗(ふうぞく)
しやんとして。衣服(いふく)すそみじかにきなし。すんと
したるもよし。女子たしなみの外にぶだう【武道】も
心かげありて
よし。さふらい
は言葉(ことば)に太刀(たち)を
あらはすなどゝ
世話(せは)にもいへば。
そのさまにう
は【柔和】にして。心は
つよきをぶし
の妻(つま)ともむす
めともほめり
【右頁下段 禿と召使いを連れた太夫の図】
太(た)夫(ゆふ)
松といふ名はしんの帝(みかと)御狩(みかり)のとき大まをまつの
木陰(こかげ)にて御しのぎなされしより太夫といふしやく
を松の木におくり給ふ此 縁(ゑん)をひゐて松とかへ名をいふ
風俗(ふうぞく)そなはり
て位あり衣服(いふく)
こしのまはりに
わた入ず打かけ
姿(すがた)にかほりを
ちらし引ふねと
名付かふろの
外(ほか)にめしつかひ
の女郎をつれ
出るなり
【右頁下段 天職の図】
天(てん)職(しよく)【左に】「てんじん」
梅ともいふ。心は天じんのえんをとりてなり風俗
太夫におとらずくらゐありていしやうつき同し
く惣して太ゆふ天じんは丁ほ【帳簿】手跡(しゆせき)も見事に
かきなし
哥(うた)茶(ちや)のみち
を心がけでは
成がたし琴(こと)
さみせんなど
ないしやうにて
は引どもさし
きにてはひか
ずはうたも
うたはず
【左頁欄外余白に題】
教(けう)訓(くん)圖(づ)
【左頁上段町人嫁の図】
町人 媳(よめ)
御新造(ごしんぞう)御部(おへ)屋御りやう人などいふ風俗はでなるは
見ぐるしふだんいしやうも大もやう成ものあしく昼(ひる)は姑(しうとめ)の
きはをはなれず万心をくばり笑(をか)しき事にもさのみこへ立ず
くるしきにも其
色をみせず下部(しもべ)
の者(もの)を友(とも)として
長はなしせず
よめのみちたる
事は舅(しうと)姑(しうとめ)の
善悪(ぜんあく)を朝夕(あさゆふ)
にとひ真実(しんじつ)の
子のことくかう
成を道とす
【左頁上段妾の図】
妾(てかけ)【左に】めかけ
臥(ご)座(ざ)直(なを)しなどいふ。男の内より外に置(をく)を囲者(かこひもの)といふ
いづれにても表だゝぬ事なれば一しほ衣服(いふく)かみの結(ゆひ)やう
こうたう成にしゆくはなし。妾(てかけ)のみちたる事奥(をく)さまにめし
つかはるゝ時は
神のごとく尊(そん)
敬(きやう)しほうばい
下(した)〳〵の事を
吉品(よしな)に申
なし。みぢんも
我かほゝせず
法會物見参り
せず身をかた
くつとむべし
【左頁下段鹿恋の図】
鹿恋(かこひ)
しかともいふ鹿(か)の字(じ)の心をとりてなりこれまでを
格子(かうし)女郎といふて日頃(ひごろ)見せへいださず。揚(あげ)やといふへ
行てつとむる。引ふねといふにあらずくがいをつとむる
此風俗てん
じん《割書:二》同じく
いやしからず
引。かたりの
やうなるしよ
さなし。ざし
きの■【奥ヵに】しゆ
えんのりやう
をするのみ
とぞ
【左頁下段端の図】
端(はし)
見世女郎の事なりみせ女良といふ■すがたあし
きを見世女郎にするにあらず其おやかたのかつ
手にてみせにてもつとめさすなれば格子(かうし)■■■も
■■ろ■ま風(ふう)
義(ぎ)■■■多(おゝ)
し。しかし是
までの。風俗(ふうぞく)町
の女中などま
なび給ふ事な
かれ又此■■■
ぶんへ町の■■
かたらひ■の
風俗(ふうぞく)いへ■べし