東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 25

ページ: 25

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【右丁上段】 【小見出し】放下(はうか)鉾【▢で囲む】 新町四条の北より出る ◯此鉾は 放下(はうか) 師(し)の 人形あり 【小見出し】磐戸(いはと)山【▢で囲む】新町五条坊門の南より出る ◯此山の由来は天照太神そさの おの尊(みこと)悪逆(あくぎやく)をなし 給ひし時 天(あま)の 岩戸(いわと)に入 給ふていなり 【小見出し】船鉾【▢で囲む】 ◯此鉾の因縁は仲哀(ちうあい)天皇 三韓を攻(せめ)させ給ひけれ共 利なくして帰らせ給ひしを 重(かさね)て皇后(くはうごう)むかはせ給ひ こまの国を打した かへ給ひ高麗(かうらい) の王は日本の犬也 と石壁(せきへき)に書給ふてい也 【右丁下段】 【見出し】「わかむらさき【別本にて】【源氏香の図】【見出し語の上部左右に鉤かっこ】【見出しを▢で囲む】 此巻は哥をもつて名つきたり。 源氏十七歳の三月よりふゆ まてのことをしるす。源氏おこり【熱病の一つ。】をわつらひ給ひ 北山の僧都(そうづ)のいのりかぢのため尋をはしける ついてに。女子の十はかりなるかすゞめ子をにがし たるをなきて立たるがうつくしかりしを見そめ 給ひし。これ紫のうへ也是はおこりのかちせし 僧都のあねの孫(まこ)父(ちゝ)は兵部卿(ひやうぶきやう)の宮。藤つぼのみやの めいご也。もとより藤つほと源氏と蜜通(みつつう)ありし ことなれは。そのゆかりとおほし召て。ついに源氏の むかへ給ひやしなひてふかき中となり給ふ。歌に 〽てにつみていつしかもみん紫のねにかよひける のへのわかくさ◯此心は今紫のうへおさなけれは。 いつかおとなしくなり給ひてわかものにせんとの 心也。紫のとは古哥に紫の一もとゆへにむさし のゝ草はみなからあはれとそみるといへる本哥 の心に。藤つほと源氏との中のゆかりなれば ねにかよひけることよまれし也。紫のうへのいと けなくてうつくしけれは。そたち給ふ行すへを をおほしめす心なるへし 【左丁上段】 【見出し】十四日山之次第【見出し語の上下左右に鉤かっこ】 【小見出し】橋弁慶(はしへんけい)山【▢で囲む】四条坊門室町の東                        より出 ̄ル ◯此山は源の牛若 むさし坊弁慶五条のはし の上にて武芸(ふげい)をいどみける姿也 【小見出し】役行者(えんのきやうじや)山【▢で囲む】 室町三条の北より出 ̄ル ◯此山は役小角(えんのせうかく)かづらき山 にて鬼神をしたがへ給ふてい也 【小見出し】黒主(くろぬし)山【▢で囲む】室町三条の南より出 ̄ル ◯此山は大 伴(とも)の黒主其さま いやしげに薪(たきゝ)おへる山人花の陰に 休めるがごとしと此心成べし 【小見出し】鈴鹿(すゝか)山【▢で囲む】烏丸三条の北 ̄ヨリ出 ◯此山はすゞかの立ゑぼしと いふ鬼を退治したる さまをつくれり 【小見出し】悪(あし)ふさふ山【▢で囲む】六角烏丸の西より出る ◯此山は宇治川にて 三井寺の一来法師 筒井(つゝゐの)淨妙がかうべゝ 乗(のり)またぐかるわざの所也 【左丁下段】  末摘花(すえつむはな) なつかしき   色(いろ)とも なしに  なにゝ   この す衛(え)  つむ はなを  そでに ふれけむ