東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 39

ページ: 39

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【右上段】 千年(ちとせ)まで  へし  かぎれる松も 万(よろづ)  けふよりは  代(よ) 君(きみ)にひ   や   かれて 左 大中臣能宣(おほなかとみよしのぶ) 右 壬生忠見(みぶのたゞみ) 焼(やか)ずとも草(くさ)は   もえなん たゞ  かすがのを 春(はる)の日にまかせ     たらなん くれて行(ゆく)  霜(しも)にぞ  秋(あき)の   有(あり)けり   かたみに わが   をく  もと    物   ゆひの   は 左 平(たいらの) 兼盛(かねもり) 右 中務(なかつかさ) 秋風の吹(ふく)に      付て 萩(はぎ)の    も  葉(は)  と ならば  はぬ   音(をと)は 哉 してまし 【左丁上段】 【見出し】「御所言葉(ごしよことば)」【見出し語の上下左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 一小袖は○ごふく 一わたは○おなか 一よき【夜着】は○よるのもの 一どんすがや○どんちやう【上下の言葉が逆と思われる】 一こんにやくは○にやく 一とうふのかす○おかべがら 一ゆのこは○おゆのした 一しやうゆは○おしたし【おしたじ(お下地)】 一なすびは○なす 一よめがはぎ【「げ」は誤記】○よめな 【左丁中段】 一おびは○おもじ 一ゆぐは○ゆもじ 一かやは○かちやう 一へに【紅】は○おいろ 一めしは○ぐご【供御】 一さけは○九こん【九献】 一こめは○うちまき 一みそは○むし 一あま酒は○あま九こん 一五斗みそ○さゝじん 一こぬかは○まちかね 一もちは○かちん 一だんごは○いし〳〵 一せきはんは○こはぐご 一ちまきは○まき 一しんこは○しらいと 一とうふは○おかへ【御壁】 一でんがくは○おでん 一ぼたもち○やは〳〵 一そばかゆもち○うすずみ 一やきめしは○おみなめし 一ふのやきは○あさがほ 一さうめんは○ぞろ 一なめしは○はのぐご 【右丁中段】 けふは乙子の朔日と て人の庶子(そし)たるは 其祝をなし侍る ○六日《割書:今日より|十九日迄》ちしやく 院のかいさん忌○十 九日《割書:今日より|廿一日迄》まきの を御仏名(おふつみやう)会○廿二日 大徳寺かおさん忌○廿 三日一へん上人忌にて 時宗の寺々に法 事を修(しゆ)す○廿八日 鉢たゝき結願(けちぐわん)極(こく) 楽寺(らくじ)にておどり 念仏有○大晦日 夜に入て祇園の 神前にて大般若(たいはんにや) 転読(てんどく)子のこくより拝 殿にてけづりかけ の神事始△節分 五条天神まふで 此やしろは少彦名(すくなひこなの) 命にして病難をは すくひ給ふ神法にて 年中の災を払のける也 【右丁下段】 【見出し】「うすくも【源氏香の図】【見出し語の上部左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は歌をもつて名つけたる也 源氏三十歳の冬より次の丗一の 秋まてのことあり。此うす雲の女院と申は藤つほ と申し。人はかゝやく日の宮とも申したる也。その比の帝(みかと)は けんじ藤つほに忍ひてまうけ給ひし御子なれ共。 父みかとゆめにもしらせ給はて。御いとをしみふかく。 十一歳の御とし御 位(くらゐ)につかせ給ふ。御母藤つほも 女院になり給ひけるに。御とし三十七にてかくれ させ給ふ。けんしの御心のうち思ひやるへし。御哥に 〽入日さすみねにたな引うす雲は物思ふそてに 色やまかへる○此心は巻の詞にやまきはの木 ずえあらはなるに。雲のうすくわたれるかにびいろ【濃い鼠色】 なるを。なにことも御めとゝまらぬなれと。いと衣に おほさるとある也。けんしの君この比は御うれひに しつみ給へは。たとひうつくしき花もみちにも中〳〵 御めのとまるへきことならねとも。此雲のうき〳〵と さすたなひけるが折にあひてはわか心のことく雲 も物を思ふにやと心なき物に心をつけ給ふことは。 ふかきうれひの心なり。かゝやく日のみやと申せ しかは。入日さすとよみ給ふもよせある也 【左丁下段】  朝顔(あさかほ) みし  おり 露(つゆ) の  わすら   れぬ あさ  がほ   の 花(はな)  の  さかりは すぎや  しぬらん