東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 42

ページ: 42

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【左丁上段】 【見出し】琴之記(ことのき)【▢で囲む】 琴は唐土(もろこし)にては神農(しんのう)と いふ聖人(せいじん)つくり給ふ。日本に ては。天(あま)のうすめの命(みこと)はじめ給ふ ○琴と三味線(しやみせん)とちやうしあわせ様 琴の三の糸三味線の一。琴の五。三 味線の三とをなじ○二あがりの調(てう) 子(し)は琴の五。三味線の一。琴の八。三味線 の二。琴の十三。三味線の三。とおなじ事也 △糸のおさへやう。大ゆびにさしたる爪(つめ) を前(まへ)の爪といふ中ゆびにさしたるを 向爪(むかふづめ)といふ人さし指(ゆび)にさしたるをわき 爪といふ○糸(いと)の名(な)手まへを巾(きん)といふ 次を為(い)といふ其次を斗(と)といふそれより 次第に十九八七六五四三二一なり。おさゆ る糸は。四七九八也。引ならひにはおさへ ずしてもくるしからず。地のきはに すみ付置(をく)べし 【見出し】三味線(しやみせん)【▢で囲む】 三味線の引はじめは。文禄(ふんろく)の 比。石村(いしむら)けんげうといふ法師。 びわをやつし。しやみせんを作れり○ 習(なら)ひやう。よく引人の。ばちの持(もち)よう。 指づかひ。色のつけやう見るべし 【右丁下段】 【見出し】「玉かつら【源氏香の図】【見出し語の上部左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は哥をもつて名つけたり 源氏卅五歳の三月より十二月 まてのことあり。玉かつらとははゝ木々の巻に出し なてしこのこと夕かほのうへの子也。四才の時めのとに つれられてつくしへくたり給ふ。やう〳〵とおとなしく なり給ひて京へのほり給ふ。御とし二十三也。たつ(夕かほ)ぬる 人にあはせ給へときねんのためにはつせへまうで給へは。 御はゝ夕かほのつかひ給ひて。のち源氏へつきしたかひし。 右近(うこん)といふ人に行あひ給ひぬ。右近もつね〴〵たつね申 けることなれは。源氏へ申てむかへたてまつりぬ。のち にはひげぐろの大将の北のかたになりて。内侍(ないし)のかみ にてありけれは。玉かつらの内侍と申せし也。源氏を おやとたのみおはせしゆへにあひ給ふてよめる 〽恋わたる身はそれなれと玉かつらいかなるすぢを たつねきぬ【「つ」とあるところ】らん○此心は身はそれなれとゝは源氏 我身のこと也。夕かほのうへをわすれすしてこひ わたる身はをなしわか身なり。いかなるえにし有 てや。玉かつらのけんしを父(ちゝ)とたのみてたつねき給ふ らん。ふかきえんにてあるよと云也。玉かつらとはかみ のことなれは。すぢといふもことばのえんなり 【左丁下段】  初音(はつね) とし月(つき)   を まつに  ひか   れて ふる  人(ひと)に【「わ」と見えるは誤記】 けふ  鶯(うくひす)の はつね  きかせよ