東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 43

ページ: 43

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【右丁上段】 ばちは手の内かろく持べし力(ちから)を入れ ばはやき事にばちまはらず。ぎし つき。糸の音色出ざる也。糸をおさゆる 指つよくかゞめ爪にて糸をおさゆべし 【見出し】笛之記(ふえのき)【▢で囲む】 笛は武帝(ぶてい)の時きうちうと いふ者つくりはじめる日 本にては天(あま)の大来目命(おゝくめみこと)香久山(かくやま)の 竹にて作るよこ笛 尺八(しやくはち)一節切(ひとよぎり)こま笛 といふもあり 【見出し】双六(すごろく)【▢で囲む】 双六 盤(ばん)は長 ̄サ一尺二寸是は十 二 月(つき)をへうす【表す】也。横七寸二歩 七十二日の土用(どよう)をへうす。白石(しろいし)十五は 上十五日 黒(くろ)石十五は下十五日也。しゆみ せんざいは日月をへうす也是きび 大臣ひろめ給ひし事也 【見出し】琵琶(びわ)【▢で囲む】 琵琶 長(たけ)三尺五寸 糸(いと)四すじ 下よりさかさまに引を琵(び)と云 上よりしゆんにひくを琶(わ)と云 天竺(てんぢく)のあ しゆりん王の代にきぶといふ者作り たる也。すがたは大日如来はんち【ばんじ=梵字】をかた とる也天竺しんだん【震旦=中国の異称】我朝をうつすなり 日本に渡る事ゑんぎの帝の御時也 【右丁下段】 【見出し】「はつね【源氏香の図】【見出し語の上部左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は哥と詞とをもつて名つけ たる也。源氏三十六歳の正月の こと也。此はつねといふはあかしのうへの姫君を。むら さきのうへの御子になし給ひてをはしますに より。み給ふこともなくこひしく思しめさるゝ也。正月 一日かの御かたへ。あかしのうへより文まいらせ給ふ時の 御哥に〽とし月をまつにひかれてふる人にけふうく ひすのはつねきかせよ○此心は。ひめ君むらさきの うへの御かたへ御こしありて四五年になれは。御 たいめんありたきこゝろ也。たとへ。たいめんはなく共 せめて御返事のはつ音をきゝたきと也。ふる人とは としへたる心也。松にひかれては。松を待(まつ)といふ心にして。 たいめんの折もやと待にかゝはりてとしへたる人に。 折にあひたるはつ音ををしみ給ふなと也。姫君返し 〽引わかれとしはふれとも鶯(うぐひす)のすたちしまつの ねをわすれめや○此心はわれかくのことく紫のうへ のかたへ引わかれてゐさふらへとも。わかもとそだち しふるすのはゝ君の御かたをばわするへきことには あらすとの心也。松のねは根(ね)さしのこと也。うくひすの ねにもかよへるなるへし 【左丁上段】 【見出し】七夕詩歌尽(たなばたしいかづくし) 《割書:古詩|新哥》【見出し語の上下左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 【上段頭部横書きの見出し(右から)】 七夕之詩(たなばたのし)・ 尽(づくし) 憶得(おもひゑたり)少年(せうねんにして)長(ながく)乞巧(きつこうすることを) 白楽天(はくらくてん) 竹竿(ちくかん)頭上(とうじやうに)願糸(ぐはんし)多(おほし)       詩(し) 二 星(せい)適逢(たま〳〵あふて)未(いまだ)_レ【左ルビ:ず】叙(のべ) _二別(べつ)-緒(しよの)依々之(いいたる)-恨(うらみを)【訓点「一」の欠落】 小野(をのゝ)ゝ 五夜(ごや)将(まさに)_レ【左ルビ:して】明(あけんと)頻(しきりに)驚(おどろく)   美材(よしき) _二涼風颯々之(りやうふうのさつ〳〵たる)-声(こゑ)_一             詩(し) 露(つゆは)応(べし)_二別涙(わかれのなんだなる。)_一珠空落(たまむなしくおつ)      菅相丞(かんしやうぜう) 雲(くもは)是残粧(これざんさう)髻(もとゞり)未(いまだ)_レ【左ルビ:ずと】成(なら)    詩(し) 風(かぜは)従(より)_二昨夜(さくや)_一声(こゑ)弥怨(いよ〳〵うらむ)    江相公(ゑのしやうこう) 露(つゆは)及(およんで)_二明朝(みやうてうに)_一涙(なみだ)不(す)_レ禁(たへ)    詩(し) 去衣(きよい)曳(ひいて)_レ浪(なみを)霞(かすみ)応(べし)_レ湿(うるほふ)    菅三品(かんさんほん) 行燭(かうしよく)浸(ひたして)_レ流(ながれに)月(つき)欲(す)_レ消(きへなんと)    詩(し) 詞(ことばは。)詑(だくして)_二微波(びはに)_一雖(いへども)_二且遣(かつやると)_一 菅輔昭(かんすけあき) 意(こゝろは)期(ぎと)_二片月(へんげつを)_一欲(ほつす)_レ為(せんと)_レ媒(なかだち)    詩(し) 【左丁下段】  胡蝶(こてふ) 花(はな)ぞの   の こてふ    を さえ【「へ」とあるところ】や した  くさに あき  まつ   むしは うとく  みるらむ