東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 47

ページ: 47

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【右丁上段】 △他(よそ)へ行状 折紙(をりかみ)の内を見る事。人のまへにて汗(あせ)  ぬぐふ事。人の家内(けない)へむさと出入(ている)事。人の前にて  爪(つめ)をきり髪(かみ)をすきあるひは他の小刀はさみ  にて爪(つめ)をとり又は剃刀(かみそり)などかりながらぬぐはず  してかへす事 △他のはきものをむさとはき。又ははきちがへ。或は  上(うへ)をふむ事。人の寝(ね)たゝみ。ねむしろをふみ。又は  枕(まくら)をこへまたぐる事 △他の雑談(ざうたん)をかたりなをし。或は雑談(ざうたん)のうちに  又べちの物がたりする事 △他の盃(さかつき)いたゞかずしてのみ。又終はる肴字(さかな)戴(いたゞか)ず  して喰(くふ)事。我(わが)さかづきふかずして主へさし  又は貴人(きにん)の盃 長(なが)ひかへする事 △酒(さけ)のなかばにむさとたつ事。盃(さかつき)の出たるをみて  立事。酌(しやく)に立又は膳(ぜん)をすゆる【据える】時身をかき口(くち)を  きく事。膳をひきく【ひくく(低く)に同じ】持(もち)すへあるひはかた手にて  持(もち)すゆる事 △人のゆかたにてむさと身をふく事。天 気(き)よきに  ぼくりはく事。分(ぶん)なくして上 座(ざ)このむ事 △ゐぶり【ふてくされ】けんどん【無愛想】にして親(をや)にさからひあなどり  おそろしといふ事もしらず。みだりにのゝしり  あくこうをいふ事 【左丁上段】 △親にふかうの事 兄弟(きやうだい)にさからひ喧(けん)𠵅(くわ)する事 しうと姑にふかうにあたる事是第一おんなの たしなむべき事なり。継子(まゝこ)をにくみそねたむ【ママ】 事けだし継子継母(けいしけいぼ)と成は親子(をやこ)ともに生前(しやうぜん)の 災難(さいなん)なり本脈をきりて他脈をつぐ本水にいたる 事やすからず。此心を明(あき)らめ天の命(めい)ずる所。我 をしてかくあらしむと人我を忘れて慈孝(じかう)あ   らば本脈本水にかへりて親子ともに人我(じんか)の くるしみをまぬがるべしとなり △其外たしなむべきしな〴〵りんきのふかき 大ぐちのはしたなき事男まじりのみだり 【右丁下段】 【見出し】「かゝり火【源氏香の図 注】【見出し語の上部左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は詞と歌とをもつてな付 たり。源氏三十六歳の秋の初 のことをしるしたり。けんし玉かつらの君を御子 にしてもてなし給ふといへとも。まことの御子なら ねは。御心のうちには夕かほの御かはりにもと 思し召て。なつのよの月なき比。かゞり火とほ して御琴なとしらへ給ひ。ことをまくらにそひ ふし給へり。けんしの御哥に〽かゞり火に立そふ恋の けふりこそよにはたへせぬほのほなりけり【ママ】○此 かゝりとは松あかしの事也哥心はわか玉かつら を思ふは此かゝり火にもをとらさるを。なげやりに 見給ふ事よ。わか思ひの火はかゝり火に立そふなり。 かゝり火はたつやうなれ共きゆるもの也。我思ひ の火はきゆる時もなきといふ心也。玉かつらの御 哥に〽行ゑなき空にけちてよかゝり火のたよ りにたくふけふりとならは○此心はかゝり火の けふりは。空にのほりてやかてきゆるもの なれは。源氏のかゝり火にたちそう恋の煙と よめるをうけて。かゝり火のけふりのたぐひならは 思ひけし給へ。人のあやしと思ふへきとの心也 【注 源氏香の図が違っている。正しくは右から二、四番目の線が頭部で繋がっている。】 【左丁下段】  野分(のわき) 風(かぜ)さ  はぎ むら  くも  まよふ【「まがふ」とあるところ】 ゆふべ  にも わするゝ  まなく わすら  れぬ君(きみ)