翻刻
【右丁上段 上方】
三
吸物(すいもの)【縦の波線が三本】冷物【同四本】
肴(さかな)【同一本】取肴【同四本】
茶菓子(ちやぐわし)【同二本】
後段(ごだん)【注①】 肴【同三本】
菓子【同三本】
以上
【右丁上段下方】
炙(やき)物と書てよし
一 和物(あへもの)と書はわろし
𩐐(あへ)物と書てよし
一此外飯には芳飯(はうはん) 麦(むぎ)
飯 菜(な)飯 汁には冷(ひや)汁
清汁(すまし) 薯蕷(とろゝ)汁
一鱠(なます)には 淆(ぬた)鱠 和交(あへまぜ)【横一字書きで】さしみ
杉炙等(すきやきとう)の献立さま〴〵
有て書やうあれ共こと
〴〵くしるしがたし
◯料理献立之部(りやうりこんだてのぶ)
十二月汁之分
【左右に飾り鉤かっこ】正月汁の分
▲つる ▲かも ▲しほだい ▲生ます
うど ごぼう な みつば
きのこ とうふのうば ちさ ふきちさ
ねふか つく〴〵し いも わらび
▲大こちはす ▲くづし【注②】
切
いとこんぶ けづりごぼう
やきとうふ しいたけ
【左右に飾り鉤かっこ】二月 ̄ニ用 ̄ル汁の分
▲こあゆ ▲たいのしらす ▲しほきぢ ごばう
ねいも みつば いものくき とうふ
【左右に飾り鉤かっこ】三月 ̄ニ用 ̄ル汁の分
【左丁上段】
▲がん ▲いとより ▲やきぶな
うど しほに わかめ
ごばう とり山せう わらび
あをき物
【左右に飾り鉤かっこ】四月 ̄ニ【別本にて】用 ̄ル汁の分
▲ばん【鷭】 ▲しほがん ▲しほかも ▲あわび
さゝげ なすび はりごはう せん ̄ニ
はりこばう 竹の子 竹の子 大こん
ふき はりごばう きの子
【左右に飾り鉤かっこ】五月 ̄ニ用 ̄ル汁
▲五ゐさぎ ▲生かつほ ▲どじやう なすび
ごばう 竹の子 ごばう 大こん
なすび めうが しそ すりざんせう
きのこ わかめ ねいも
【左右に飾り鉤かっこ】六月 ̄ニ用 ̄ル汁
▲やきあゆ ▲ざこ ▲しほくじら
きの子 ごばう
大こん ふり なすび ずいき
ひばり なすび ごばう めうが
めうが くゝ り こんにやく
【左右に飾り鉤かっこ】七月 ̄ニ用 ̄ル汁
▲小かも いてう ▲さけ きのこ ▲ぼら
大こん な にんしん とうふ
めうが 大こん わりさんせう
【左右に飾り鉤かっこ】八月 ̄ニ用 ̄ル汁
▲ がん ▲かも ▲はららご【注③】▲くづし【注②】
松たけ おろし大こん ぬかご【注④】 ごはう いも
しめじ とうふのかす なすび はつ
とうふ たけ
【左右に飾り鉤かっこ】九月 ̄ニ用 ̄ル汁
▲しほだら ▲白うを ▲かき
松たけ かぶらわ切 ねぶか
やきどうふ のり のり
【注① 江戸時代、客をもてなす時、食後に他の食べ物を出したこと。またその食べ物】
【注② くづしかまぼこ(崩蒲鉾)の略。板蒲鉾や竹輪、蒲鉾に作らないで、魚肉のすり身のままの蒲鉾】
【注③ 鮞=産卵前の魚類の卵塊。特に鮭の卵をさす。】
【注④ 「むかご(零余子)に同じ。】
【右丁下段】
【見出し】「わかな《割書:上》【源氏香の図】【見出し語の上部左右に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】
此巻は詞と哥とをもつて名
つけたる也。源氏卅九歳より
四十一才の三月まで三ヶ年のことある也。玉 葛(かつら)
の内侍(ないし)はひげくろの大将の北のかたにていつしか
わかぎみふたりまうけ給へり。正月廿三日に子日
源氏(げんじ)のゐんの御かたへねのひのいはひに
まいり給ふ。御ゆうがくさま〳〵ありて玉かづら
の御 歌(うた)〽わか”葉さす野辺(のべ)の小松を引つれて
もとの岩ねをいのるけふかな◯此心は御子
たちを引つれまいりて御年をいはふと也。
もとの岩ねは源氏の御ことをなぞらふる也
げんじの御哥に〽小松ばらすゑのよはひに
ひかれてや野辺(のべ)のわかれもとしをつむべき◯
此心は。すへとほき人のよはひにひかれて。我
身もとしをはるかにつみて。千秋(せんしう)万歳(はんせい)をも
たもつべしと也。わかなのゑんにて年をつむと
いへり。これは本哥に春日(かすか)のゝわかなゝらねと
君がためとしのかずをもつまんとぞ思ふ。此
こゝろ也。たゞしけんじ四十の御としの御 賀(が)
の心ねにて。かくいはひてよみ給ふなり
【左丁下段】
若菜(わかな)《割書:下》
夕(ゆふ)やみは
みち
たと
〳〵
し
月まち
て
かへれ
我(わが)せこ
そのまにも
見ん