東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 64

ページ: 64

翻刻

【右丁上段】  有  馬   冨士  ふもとの きわは  う  み にゝ  て なみ  かと  きけ   は   お    の     の    まつ     かせ 【右丁下段】 【見出し】たけがは【源氏香の図】【見出し語の上部左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は哥と詞とをもつて名と する也かほるの大将十四はかり と書て次(つぎ)のとしの正月より七月まで書て 又次の年のことあり。玉かづらの内侍(ないし)のかみの御はら。 をとこ”君みたり。女”君ふたりをはしける。ひげぐろ うせ給ひてのち。心かけ給ふ人おほかりけるに。夕 霧(きり)の御子 蔵人(くらんど)の少将(せうしやう)ねんごろにきこえて。御はゝ 雲(くも)ゐのかりより文をまいらせらる。その比かほるは 十四五ばかりなるを。むこにと玉かづらはおぼしたり。 かほるの御かたちににる人なくをはしければ。御 はゝ玉かづらも姫”君にあはせばやとおぼしける也。 むめの花さかりに。かほるをはしけるあしたに かほるのもとより玉かづらの姫”君のもとへ 〽竹”川の。はしうちいでし一ふしに。ふかき心のそこ はしりきや◯此心は。はしは橋(はし)と端(はし)とをかねて いへり。ことばのはしうちいでゝ。いひわたるふかきわが 心はしり給ふかとの心也。姫君かへし〽たけがは に。よはふかさじといそぎしに。いかなるふしを 思ひをかまし◯此心はわが身を卑下(ひけ)してかこ ちたる哥也。はやく御帰あるは御心とまるふしなきかと也 【左丁上段】 ◯温泉(うんせん)湯治(たうぢ)養生之(やうじやうの)事 ▲凡(をよそ)湯(ゆ)に入る次第は。先まくら湯にてう がひをして。心経(しんぎやう)一くはん薬師(やくし)の名号(みやうがう)。くはん をんのほうかう【宝号】をとなへ。其のち湯(ゆ)に入へし。 もしいそぐ事あらば。やくしのみやうがう ばかりとなふべし ▲幾湯(いくゆ)諸国(しよこく)に有るといへども。或(あるひ)は水湯。又 は色々 味(あぢはひ)の湯なり。然るに此ありまはしほ 湯にて。力(ちから)はげしみ。ゆへすくなくよくすれ ばかんを暖(あたゝ)め。しつをさり。風をしりぞけ。 けつけいをたゞし。気(き)りよくをます。腫痛(はれいたみ)の 所を治(ぢす)る事。此湯のとくにこへたるはなし。 しかしながら。くすりなればとて。つよく よくすれば。汗(あせ)しきりに出て。けつけい ちがひ胸(むね)ふさがり。心とろけ。きりよく尽(つき) て。たちまちにあやまち有。たとへば酒はもろ 〳〵の薬なれども。過(すぐ)るによりて毒(どく)と成。 塩はあぢはひの主(ぬし)なれども。すぐればあぢ をうしなふがごとし ▲大かた養生(やうじやう)に入ひとは。一日に二度ばかり 【左丁下段】  橋姫(はしひめ) はし   ひめ    の 心を  くみ   て たかせ  さす さほの  し   つく     に 袖(そで)ぞ  ぬれぬる