東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 65

ページ: 65

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【右丁上段】 くるしからず。但し老(をひ)たるや。気りよくの つよきと。よはきは。大きにかはるべし。冬は とうひやうあらずとて。しやうとく【生得=生れつき】かすなき人 気りよくよきまねをすべからず。よくつゝしむべし ▲湯船(ゆぶね)に久しくゐる事。第一しかるべからず。 ゆはぬるきをほんとす。あつければねつをうる なり。身ねつすればかぜをひく。かへつてかん のもとひなり ▲しよくごにそのまゝゆに入べからず。こと さらかみなどあらふ事。そのときに至り てしんしやく【斟酌】あるべし ▲たうじの間。酒をてうじあるべし。もし ふくせば。あたゝめてすこしくるしからず。 ことにゆにいりまへと。あがりてそのまゝ のむべからず ▲やまひにつかれ。きりよくをとろへたる は。らうにやくによらず。一日に一ど。もしは 二度ゆをぬるくしてかゝるべし。やまひに よりて三(み)びしやく。五びしやくかゝるべし ゆぶねに入る事ゆめ〳〵あるべからず【別本にて】。かく 【左丁上段】 のごとく日かずをへてやうじやう有べし これにてせんやくあとしゆやう【須用】する事 しかてふせいのものしかるべし。かさけ【風邪気】の 人は薏苡(よくい)桑(くは)又 中風(ちうふう)の人はきくをせんじて ふくすべしゆすぐればりけつするなり これによつてしややく【瀉薬】を用ひてよろし ▲こゝにてのかうせきは御やどにてのごとく なるべし但しぶやうじやうならん人の気 にはあらずよのつねのごとし ▲たうぢの間ひるねすべからずことさら ゆあがりにいねつればあせはしりけつ気 ひちがひあやまちこれ有そうへつ【総別=概して】汗(あせ) をたらす事わろし秋冬の湯にあせの たる事あしきなり ▲こゝにていんじをもらす事第一のどく なりゆより出ゝも二七日三七日はつゝしむへし ▲ぬれたるかたびらきる事なかれ たうじのあいだきうじすべからす ▲こゝにてにくをしよくせずといへども やうじやうの人はくるしからず 【右丁下段】 【見出し】はしひめ【源氏香の図 注】【見出し語の上部左右の角の飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は歌をもつて名とする也 かほる十九歳より二十一の歳 まての事見えたり。これより宇治(うぢ)十 帖(でう)のうちなり 宇治にふるき宮(みや)住(すみ)給ふ。此 宮(みや)はきりつぼのみかど 八の宮げんじには御おぢ也。れいぜいゐん御 位(くらゐ) のおり。しゆしやくゐんの御はゝよきに思しめして。 此八のみやを御くらゐにたてばやと。思召有けれ ども。御心もちあしければにや。都(みやこ)の住(すま)ゐむつか しく宇治(うぢ)の山 里(ざと)のれうちにうつり住せ給ふ ゆへ。うぢの宮(みや)とも。うばそくの宮とも申也。姫君 一人もち給ふ。此宮はなにごとの道にもたつし 給へば。かほるまいりて物ならひ給ふに。姫君も思ふ 心あり。さてかほるのよみ給ふ〽はしひめの心を くみてたかせさす。さほのしづくに袖ぞぬれぬる 此心は。姫君をはし姫によそへていへり。下句(しものく)は かほるの身によそへたり。姫君の此所につれ〳〵と ながめ給ふ心をくみて。かほるの袖(そで)をぬらすと也 高瀬(たかせ)は舟なり。あやしき舟ともに柴(しば)つみて とある詞をうけていふべし。ふかく思ひ入ありて よめるうたなり 【注 図が違っている。正しくは左から二本目の線は上の横線に付かない。】 【左丁下段】  椎本(しゐかもと) たち  よら    む かけ   と  たの みし  しゐ  がもと むなしき とこに   なり ける  に   かな